小学生が小池都知事へ「私の未来はどうなるの?」神宮外苑再開発の見直しを求めサイレントデモ

東京を緑のない街にしたくない――小池百合子東京都知事に神宮外苑再開発の見直しを求めるサイレントデモが行われました
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東京都庁前で緑の紙やメッセージを掲げ、サイレントデモ(2023年3月24日)
HUffPost Japan

「私の未来はどうなるの?」

東京都・新宿区の都庁前で3月24日、明治神宮外苑の再開発の見直しを求めるサイレントデモが行われた。

この再開発では、少なくとも3000本以上の樹木が切られることがわかっているが、全体の伐採数はその数をはるかに上回ると考えられている。

さらに100年近い歴史のある神宮球場や、ラグビー選手にとって「聖地」と呼ばれる秩父宮ラグビー場も解体される。

この再開発に対し、1年以上前から市民による反対運動が起きている。さらに文化遺産保存の専門家などからなる日本イコモス国内委員会も「事業者の評価書には虚偽が多数ある」など問題などを指摘しているものの、小池知事は2月17日に再開発事業を認可した。

24日のデモは、見直しを求める声に耳を傾けようとしない小池知事に直接メッセージを届けたいと企画され、50人以上が参加。

「100年の森を守れ」「神宮外苑再開発を見直して!」「木を残そう」などのメッセージや、緑の紙を知事室に向けて掲げた。

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「私の未来はどうなるの?」

小学3年生の孫と一緒に参加した東京都在住の奥富裕子さんは「緑は目を楽しませるだけでなく、ヒートアイランド対策や環境を守るという意味でもとても大事です。孫の代に、東京が緑のない街になっているようなことにはしたくない」とハフポスト日本版の取材で語った。

孫と一緒に掲げた紙に書かれていたのは「木を切ってしまうと私の未来はどうなるのですか」「樹木を切らないで」というメッセージだ。

孫も「自然をなくしてしまうと酸素もなくなってしまいます。小池さんも納得してくれればいいなと思いました」と、声が届いてほしいという思いを語った。

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東京は「環境先進都市」を目指し、ゼロエミッションや生物多様性の保全、緑の創出などを目標にしている。

しかし、神宮外苑の再開発では多くの樹木が伐採される上、再開発後のCO2排出量は、年間約4万7000トンと試算されている。

奥富さんは、緑地化や樹木を増やす取り組みをしているパリニューヨークと比較して「東京は何をやっているんだ」という気持ちになると話す。

「(都は)環境を良くすると言っているけれど中身は違う、と非常に危機感を持っています」

「今日ここに来れない家族や友人も、緑は大事にしたいと思っています。任せておけばいいという感覚を、もう変えなければいけないなって思っています」

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100年後の人たちに感謝される街づくりをしてほしい

東京都では、神宮外苑以外でも樹木伐採を伴う再開発や工事が計画されている。

サイレントデモの主催者の一人である大学1年生の楠本夏花さんは「日比谷公園や葛西臨海公園でも反対の声が上がっています。それにも関わらず、耳も傾けられていないというのが現状。私たちの声は届いていないふりをされてしまっている」と話す。

 「今までも自然は経済発展の犠牲にされてきました。自然は物を言いません。私たちにたくさんの恩恵を与えてくれるのに、それは目に見えません。自然が犠牲にされているんだということを、ここに立って訴えたいと思いました」

さらに、楠本さんは小池知事へのメッセージとして「100年後の人たちが、こんな街を作ってくれてよかったねって思えるような街づくりを本気でする都知事になってほしいと思います」とも語った。

神宮外苑の再開発の見直しを求める2つの署名活動には、合わせて13万筆以上が集まっている。

また2月には、地域住民を含む市民や専門家、環境活動家らが、認可取り消しを求める裁判を起こし、事業の執行停止を求めている。