宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日午前、金星探査機「あかつき」を、金星周回軌道に投入した。「あかつき」は5年前の2010年12月7日に金星を観測できる軌道投入に挑んだが、主エンジンの故障が原因で失敗し、今回が再挑戦だった。軌道投入成功が確認できれば日本の宇宙開発史上初の惑星探査が始まる。
JAXAによると、「あかつき」は金星に接近するタイミングに合わせて7日午前9時51分、4基の姿勢制御エンジンを噴射。約20分間の噴射により減速、金星の重力を利用して進行方向を変更しながら軌道に入ったとみられる、という。JAXAの運用管制チームは、「あかつき」が予定軌道を正確に回っているかどうか約2日かけて最終確認する。
「あかつき」は今後約2年間、金星の周りを8∼9日で一周する楕円(だえん)軌道を飛行する。6種類の観測機器を搭載しており、金星を覆う厚い雲や大気現象の観測を続ける。
金星は、地球より内側の太陽公転軌道を回る太陽系の第2惑星。大きさや質量が惑星の中では地球に近く、「双子星」と呼ばれる。また、大気の大部分は二酸化炭素で気温は400度以上あり「究極の温暖化惑星」とも言われる。
「あかつき」は10年5月にH2Aロケットで打ち上げられた。しかし同年12月に主エンジンが故障して金星周回軌道への投入に失敗。11年11月に姿勢制御エンジンで軌道調整し、太陽を回る軌道を飛行してきた。
関連リンク
・JAXAプレスリリース「金星探査機『あかつき』の金星周回軌道投入における姿勢制御用エンジン噴射結果について」
・JAXA「あかつき」特設ページ
サイエンスポータルの過去の関連記事
・2011年7月1日ニュース「逆止弁に塩『あかつき』金星周回軌道投入失敗の原因」
・2010年12月28日ニュース「『あかつき』失敗燃料系逆止弁閉鎖が原因」
・2010年5月18日ニュース「金星探査機『あかつき』打ち上げ延期」
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