宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、ISS を模した訓練設備での有人閉鎖環境滞在試験を行います。実施期間は2週間。一般男性の参加を公募しており、参加者には総額38万円の協力費が支給されます。
試験の目的は外部から隔絶された閉鎖環境、つまり宇宙空間での長期滞在が飛行士に与えるストレスを客観的な指標(ストレスマーカー)で評価できるようにすること。滞在試験では、被験者の表情や発声、反応速度、血液・尿検査などを確認し、数々のあるストレスマーカーの中から、被験者のストレスをよく反映するものを絞り込みます。
参加者は JAXA 筑波宇宙センターにあるISSを模した閉鎖環境適応訓練設備に13泊14日、計2週間滞在します。食事はすべて宇宙食で供給し、宇宙飛行士が行う実験やグループ作業などを毎日こなします。
募集対象は20~55歳の健康な男性で、定員は8人。滞在試験の前後にも基礎データの測定など検査があり、通算5回はJAXAへ通う必要があり、参加者には総額38万円の協力費用が支給されます。なお滞在試験は現在募集中の1度だけではなく、2015~2016年度に最大4回を予定します。
経済的に問題なく2週間の休みが取れ、なおかつ宇宙飛行士になった気分を味わってみたい人ならぜひとも応募してみたい実験かもしれません。
ちなみに JAXA はISSが建設中の時期にも同様の滞在試験を実施しています。このときは ISS 滞在を想定して、1週間の閉鎖環境試験をしていました。運用開始から約5年が経過した ISS は、少なくとも2024年まで運用を継続する見込みです。
一方、現在の宇宙開発は月や火星への有人探査への期待が高まっています。通常、飛行士の ISS 滞在が半年間なのに対し、火星への有人飛行は片道で7か月が必要とも言われます。今回の JAXA の滞在試験が従来の倍の2週間なのも、もしかしたらいつか実現するであろう火星への旅を想定に入れているのかもしれません。
SOURCE: JAXA
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(2015年12月28日 Engadget日本版「2週間で38万円支給!JAXAが閉鎖環境実験の一般参加者を募集中、飛行士のストレス把握手法研究のため」より転載)