ボブ・ディランの歌詞を引用した入学式の式辞を、京都大学が公式サイトに掲載したことに対して、日本音楽著作権協会(JASRAC)が5月初旬、著作権料に関わる手続きを求めた。京都大学が5月19日、ハフポスト日本版の取材に対して認めた。
公式サイトに掲載された山極総長の式辞
■入学式で「風に吹かれて」の歌詞を引用
4月7日、京都大学の山極寿一(やまぎわ・じゅいち)総長が入学式の式辞を述べた。この中で、山極総長はボブ・ディランの「風に吹かれて」の歌詞を引用していた。
How many times a man turn his head
Pretending he just doesn’t see?
見ないふりをしながら、人はどれくらい顔を背けるのか
などの歌詞を紹介した上で、「この歌は、誤りを知っていながら、その誤りから目をそらす人を強く非難しているのです。これは、1960年代に起こったアメリカの公民権運動の賛歌で、日本でも多くの若者が口ずさんだものです」と話した。
山極総長の式辞は、京大の公式サイトにも掲載された。これに対して連休後の5月初旬、京都大学広報課にJASRACの担当者から電話で問い合わせがあったという。「歌詞の引用をサイトに掲載するには、著作権料に関わる手続きが必要」という趣旨だったという。
■京都大学「特に対応は検討していない」
京都大学の広報担当者はハフポスト日本版の取材に対して「著作権法上で認められた正当な引用の範囲内だと考えているので、特に対応は検討していない」と話した。
JASRACの担当者は「サイトに歌詞を掲載したことについて、京都大学に問い合わせをしたのは確か。引用に当たるか否かなど個別の案件については答えられない」と回答している。
■関連スライドショー(1960年代のロックスター)
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