日米重大犯罪防止対処協定つづき。
今回のこの協定の対象に外務省がしようとしているのが、死刑、無期または長期三年以上の罪すべてと長期一年以上で協定の議定書に盛り込まれたもの。
中には文化財に関する詐欺事件などというものがある。これが重大犯罪なのかというと、テロリストのマネーロンダリングに使われる可能性があるからという。
アメリカの場合、一部を除き、刑法は州法になる。五十の州でなにが長期三年以上に当たるのか、そのなかで日本では罪に問われないものがあるのかどうか、外務省が調べた形跡はない。
ビザ免除のためにこの協定を締結するというのではさすがに根拠が薄いと思ったか、今度は重大犯罪対策、特にテロリスト対策だということを前面に出し始めた。
それならば、アメリカが中心となって三十数か国が二か国間協定を締結する今のやり方はおかしい。
今のやり方では、アメリカは三十数か国の指紋データベースにアクセスできるが、日本はアメリカの指紋データベースにあてられるだけ。
三十数か国が国際協定を結び、どの国も、締結国の指紋データベースにあてられるようにしなければ、国際テロリスト対策にはならない。
現在の日米捜査共助では、指紋の問い合わせは年に数件しかないという。なぜならば、電子メールで送られてきた指紋に関する問い合わせの手続きに一か月かかっているので、よっぽどのことがない限り、尋ねてこないし、尋ねないのだそうだ。
だから今回は、自動的にアクセスできるようにしたいというが、それならば、現在のシステムを改善すればよいだけのこと。
不思議なことに、あれだけ特定秘密保護法で騒いだ朝日新聞は、今回、ほとんど報道しない。今ならば、修正ができるのに。
【前回の記事】
(2014年2月3日「河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり」より転載)