デロイトは2019年10月、「日本テクノロジーFast50」を発表。これは、上場・未上場問わず成長率が高かった企業のランキングだ。スタートアップが数多くランクイン。特にAI、データ分析、クラウド等の企業が目立った。具体的に見ていこう。
日本テクノロジーFast50とは?
企業規模に関わらない、「成長性や成功を知る指標」の1つとして注目されるのが、「日本テクノロジーFast50」だ。デロイトが毎年行なっているランキングプログラムで、上場・未上場問わず、過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率でランク付けしている。
対象となるのは、下記の6つの領域のいずれかに従事する、日本資本の企業だ。
・ハードウェア
・ソフトウェア
・通信
・メディア
・ライフサイエンス
・クリーンテック(再生技術、エネルギー貯蔵、ゼロエミッション車両、スマートシティ 他)
2019年にランクインしたのが、以下の企業だ。
傾向としては、年々スタートアップの割合が高くなっている。事業領域別で見ると、一番多かったのは「ソフトウェア」で23社。ついで、「メディア」が12社、「通信」が9社と続く。「クリーンテック」「ハードウェア」「ライフサイエンス」も、2社ずつランクイン。いずれもAI、データ分析、クラウドなど、近年の注目領域で事業を展開する企業が目立った。
受賞企業50社の3決算期売上高成長率の平均値は290%。そんななかTOP3である「カンム」「AI inside」「and factory」の成長率は「600%以上」と、圧倒的な成長率を見せた(*1)。
AMBIピックアップ求人
2019年の日本テクノロジーFast50の中から、とくに採用を強化している企業をピックアップした。実際の求人とともに、企業概要を紹介していこう。
カンム
成長率3500%超ーー圧倒的な成長率を記録したのが、カンムだ。
この背景にあるのが、同社のサービス「バンドルカード」の躍進。2016年リリースから3年ほどでアプリのダウンロードは通算180万を突破した(*2)。
「バンドルカード」とは、本人確認不要で作成でき、スマートフォンアプリからチャージ可能なVisaプリペイドカード。「クレジットカードだと使いすぎが怖い」という課題を解決し、中高生を中心にシェアを伸ばしているようだ。
さらに、暗号通貨(仮想通貨)関連の新プロダクトのリリースも計画される。
AI inside
AI-OCR市場シェアNo.1(*3)を誇るのが、AI inside だ。
AI-OCRとは、画像データやテキストを認識し文字データに変換する「OCR」に、AIを融合させたもの。従来のOCRよりも、さらに文字識字率が高く、手書きの書類などまでデータ化できる。
同社は、AI-OCR「DX-Suite」を独自で開発。オフィスワークにおける働き方改革を加速させる企業とも言えるかもしれない。
and factory
――2019年7月、スクウェア・エニックスと資本業務提携し、
そして10月には、小学館、集英社、白泉社と資本業務提携へ。
エンタメ、ニュースなどのアプリ開発に軸足を置き、大手との協業も積極的に進めているのがand factoryだ。
Macbee Planet
マーケティング領域におけるコンサルティング事業を手がけるのが、Macbee Planetだ。
自社でマーケティングツールを開発し、それを活用したプロモーションを行なう。
ビザスク
副業を解禁する企業も増えるなか、注目を集めるのがビザスクだ。
同社が展開するのは、1時間からのスポットコンサルサービス。企業は、経営者や企業OBなどビジネスに知見のある個人から、1時間のアドバイスをもらうことができる。アドバイザー側も、スキマ時間で自らの知見を活かす新しい働き方、個人の活躍の場を広げることが可能だ。
2019年12月には、AIを活用し、アドバイザーと企業をマッチングさせる機能をリリース。
今後、シェアリングエコノミー、働き方改革、人生100年時代と言われるなかで、さらに注目されていくだろう。
アドベンチャー
航空券等予約販売サイト「skyticket」を運営する、アドベンチャー。
海外航空券、ホテル、レンタカー、海外Wi-Fiレンタル、高速バス、フェリー、旅行保険まで、すべて1つのサイトで旅行に関する予約を完了できる。
32言語でサービスを提供し、Androidアプリは155ヵ国でダウンロード可能。2019年4月時点で、全世界で1000万ダウンロード(*4)を突破している。
そのほか、2019年12月現在、「Amazia」「アカツキ」「ZUU」をはじめとする11位以降にランクインした企業の求人も多数でていた。成長企業に参画するチャンスを逃さないでほしい。