今回の従軍慰安婦に係る日韓合意については大いに考えさせられるものがある。そう、保守派を地盤とする安倍首相だからこそできたと評価することも可能だからだ。
「改革」についても同じことが言える。その抵抗勢力を支持基盤としている政党には「改革」はできない?普通そう言われるが、そうとも言い切れない場合もある。
私がよく言う、「改革」には「取り込み型」と「突き放し型」がある、ということに関連する。
小泉改革は、抵抗勢力を敵とみなし徹底的にたたく「突き放し型」。野田政権時代の「公務員人件費7.8%カット」は、公務員労組を支持母体とする民主党政権でできた、いわば「取り込み型」だ。橋本政権の「公共事業削減(財政構造改革法)」も、竹下登氏や村岡兼造氏ら建設族を「取り込ん」で、最後は「予算の枝振りも考えんでいいわな」(竹下氏)という言質を引き出した。
どちらが良いとも言い切れない。その達成度についてもそれぞれ評価もあろう。ただ、今後の政治、政党の在り方について深く考えさせられる。
(2015年12月30日「江田けんじNET」より転載)