日韓首脳会談へ向けた進展なし 韓国側、歴史認識で慎重姿勢崩さず

安倍晋三首相と朴槿恵・韓国大統領との首脳会談に向けた調整は、不調に終わったようだ。斎木昭隆外務事務次官は3月12日、ソウルを訪問し韓国外交通商省の趙太庸第1次官と協議したが、首脳会談への具体的な進展はなかった。
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AFP時事

安倍晋三首相と朴槿恵・韓国大統領との首脳会談に向けた調整は、不調に終わったようだ。

斎木昭隆外務事務次官は3月12日、ソウルを訪問し韓国外交通商省の趙太庸第1次官と協議したが、首脳会談への具体的な進展はなかった。斎木氏は12日、予定を1日早め日帰りで日本に帰国した。

朝日新聞デジタルによると、斎木氏が3月24、25日にオランダで開かれる核セキュリティーサミットで、日米韓3カ国による首脳会談の開催を念頭に打診したとみられるのに対し、韓国側は否定的な立場を崩さなかったという。

韓国政府関係者によると韓国側は「どんな形態の首脳会談も、日本政府や指導層の歴史認識の変化が前提になる」との基本的な立場を示したという。安倍政権は、慰安婦問題に関する河野談話の検証にも踏み出している。歴史認識問題で一つもプラス要素がない中で会談に応じれば、国内で厳しい批判を浴びかねないとの判断がある。

朝日新聞デジタル『日米韓首脳会談に難色か 韓国「歴史認識の変化が前提」』より 2014/03/12 23:48)

安倍首相と朴大統領との日韓首脳会談は、双方が就任以来一度も開かれていない。韓国側は、主に過去の歴史について「侵略の定義は定まっていない」などとする安倍首相ら政府首脳の発言を問題視し、首脳会談に応じてこなかった。

一方でアメリカは日韓が対話するよう強く促しており、日米韓首脳会談に「米国も仲介に前向き」との感触を得ていたため、今回の斎木次官派遣となった

時事ドットコムによると、12日に日本メディアが「首脳会談へ調整」と報道したことに韓国側が不快感を示したことから、斎木氏は正式な会談要請を見送ったという。

オランダのハーグで24、25両日に開かれる核安全保障サミットに合わせた日米韓3カ国の首脳会談開催について、韓国側は「(開催へ調整に入ったとの日本側の報道は)事実と違う」と不快感を示した。このため日本側は正式な会談要請を見送った。

斎木氏は13日まで滞在する予定だったが、12日の韓国側主催の夕食会が取りやめとなったため、同日夜に帰国。羽田空港で記者団に対し、日韓首脳の顔合わせについて「相手のあることだから、今の段階では何とも言えない」と述べ、実現の見通しは立っていないことを明らかにした。

(時事ドットコム『慰安婦問題で「誠意」要求=日韓次官会談、溝埋まらず』より 2014/03/12 23:28)

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