世界貿易機関(WTO)の上級委員会は7日、中国のレアアース(希土類)輸出規制は協定違反と訴えていた日本と米国、欧州連合(EU)の主張を認め、中国の敗訴が確定した。
WTOは報告書で「中国は、さまざまなレアアースやタングステン、モリブデンを対象とした輸出割り当て制度について、正当化されるという論拠を示さなかった」と指摘した。
中国は2010年に公害抑制と資源保護を理由にレアアースの輸出割り当て制度を導入した。レアアースの産出では中国が世界の9割以上を占める。
米通商代表部(USTR)のフロマン代表はWTOの判断について、紛争の「終了」を示すとの声明を発表した。
EUのデフフト欧州委員(通商担当)は声明で「国内産業を守ったり支援したりするために外国企業を不利にする輸出規制を用いてはならないという明確なシグナルだ」と指摘し、中国が直ちにWTOの判断に従うよう求めた。
中国商務省は「WTOの判断を精査した上で、資源を消費する製品の管理を協定に沿った形で行い、天然資源の保護を進め、持続的な開発を目的とした公正な競争を維持するよう引き続き努める」とする声明を発表した。[ジュネーブ 7日 ロイター]