IT企業などで作る新経済連盟(代表理事・三木谷浩史楽天会長兼社長)は14日、都内で会見を開き、7月の参院選でIT政策の推進などを公約に掲げる候補者十数人を応援すると発表した。近く正式に氏名を公表するという。産経ニュースは次のように報じている。
応援の対象者は『政党による選別ではなく、政策で判断した』(三木谷氏)といい、新経連が求める医薬品のネット販売の解禁や、各種規制緩和を推進する候補を応援する。応援方法はネットを通じた支持表明などにとどまり、資金提供は行わない。
(産経ニュース「三木谷氏率いる新経連、参院選でIT推進の10数人を支援」より。2013/6/14 14:07)
新経連は昨年6月に発足し、会員企業は約800社。朝日新聞デジタルによると、新経連は、選挙応援に慎重な経団連とは対照的に、参院選では代表理事が自ら応援演説にも立つ構えだといい、政治活動を活発化させている。
これまでも、三木谷代表理事は「選挙期間中にホームページを公開できないのは先進国では日本だけだ。それが若い人の政治ヘの参加意識を低下させているのではないか」と言い続けてきた。
安倍政権の誕生以来、新経連は急速に政権との距離を縮めている。三木谷代表理事は産業競争力会議のメンバーに起用され、理事の一人、フューチャーアーキテクト会長兼社長の金丸恭文氏が規制改革会議の委員に選ばれている。19日には新経連主催で、タイトルも「アベノミクスフォーラム」と題するシンポジウムを開く。講演者には竹中平蔵氏、山崎元氏、小幡績氏ら、「リフレ」「反リフレ」派の論客がそろい踏みする。
安倍晋三首相も、今月5日に成長戦略第3弾を発表した講演で、「インターネットによる市販薬の販売」「インターネット選挙」の二つを「解禁する」とぶちあげた。これはいずれも、新経連がもっとも力を入れてきたテーマだが、インターネットによる薬販売には日本薬剤師会が猛反発していた。
4月に新経連が開催した「新経済サミット」で、首相は「自民党はオールドエコノミーと組んでいる印象を持たれますが、それは違います」と語り、集まった起業家たちから拍手喝采を浴びたという。
重厚長大の大企業が多い経団連に比べ、新経連を構成するメンバーはベンチャーも含めたIT企業が中心で、経営者の年齢層も若い。ここへきて、歴代の首相より年代が若く、フェイスブックなどITツールを積極的に使いこなす安倍政権の誕生により、「第二経団連」としての存在感をいっそう高めようとしている。
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