アメリカのドナルド・トランプ大統領は5月9日、連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー長官を更迭した。ホワイトハウスが9日午後発表した。
「FBIは我が国家で最も大切な、尊敬される機関である。本日、法執行機関の最も重要な部門が新たなスタートを飾ることになる」と、トランプ氏は声明を発表した。
コミー長官は2016年7月5日、アメリカ大統領選の民主党候補だったヒラリー・クリントン氏が国務長官在任中に私用メールを使った問題で、司法省にクリントン氏を刑事訴追する勧告は行わないと発表した。
しかしコミー長官は投票日直前の2016年10月28日、新たに政府の重要機密情報を取り扱ったとみられるメールが見つかったとして、議会関係者に捜査を再開させるという書簡を送った。
コミー長官は2016年11月6日、訴追しないという7月の決定に関し「結論は変わらない」として、改めて訴追しないことを表明した。クリントン氏は2017年5月2日、「10月28日にコミー長官が書簡を送るまでは、私は勝利に向かっていた」と、FBIを批判していた。
一方、コミー長官は3月20日、下院情報特別委員会の公聴会で、アメリカ大統領選でトランプ陣営とロシア政府が接触していたという疑惑について、2016年7月から犯罪捜査に着手していたことを明言した。トランプ氏は「FBIは国家安全保障の『情報漏洩者』を完全に止めることができていない」と、FBIを非難していた。
(内容を追加して更新します)
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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