岩泉線、JR東日本が廃止届け出 沿線自治体が合意

2010年の脱線事故で全線が運休していた岩手県のJR岩泉線について、JR東日本は11月8日、国土交通相に廃止を届け出た。
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2010年の脱線事故で全線が運休していた岩手県のJR岩泉線について、JR東日本は11月8日、国土交通相に廃止を届け出た。JR東日本のホームページで、岩手県や沿線自治体の宮古市、岩泉町など「関係者間で合意に至りました」と公表した。

同社のホームページによると、岩泉線は下記の事故で全線が運休していた。

○発生日時 2010年(平成22年)7月31日(土) 7時33分頃

○事故概要

・茂市発・岩泉行の683D列車(1両)が線路上に堆積した土砂に乗り上げて脱線

・お客さま7名と乗務員(運転士・車掌)2名のうち、お客さま3名と乗務員2名が負傷

(JR東日本「廃止方針表明時の記者会見資料」より 2012/3/30)

調査の結果、原因は長年にわたる岩盤のゆるみや風化とされたが、全線で安全対策をとると少なくとも約130億円かかるのに対し、2009年度の利用者が1987年度の約4分の1に減少したとして、同社は2012年3月30日に鉄道としての復旧を断念し、バス輸送に転換する方針を表明。2013年9月5日に岩手県と沿線自治体に正式に伝達していた。

河北新報によると、11月7日にJRと岩手県、沿線自治体との非公開協議があり、JRが代替バスの運行や道路としての整備工事に協力することを条件に、自治体側が廃止に応じたという。

同社は岩泉線押角トンネル(全長3キロ)を県に無償譲渡し、県は国道340号の難所区間の迂回(うかい)路として道路に転用する方針。トンネル拡幅などの工事費は同社が20億円を上限に負担する。

代替バスは地元バス会社が運行する。廃止区間のほか、岩泉町中心部など2カ所計約2.4キロを走行する。運行本数は鉄道と同水準の1日4往復を基本とする。年間4000万円程度の赤字が見込まれ、JR東日本が全額補填(ほてん)する。

(河北新報「岩泉線廃線受け入れ 岩手2市町、JR東と合意」より 2013/11/8)

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