日本テレビ系の人気バラエティ番組「世界の果てまでイッテQ!」で5月に放送された、ラオス・ビエンチャンでの「橋祭り」に参加する企画について、11月8日発売の週刊文春が「祭りはデッチ上げ」だったと報道した問題について、日本テレビは8日、報道各社にファクスで経緯を説明した。
問題となっているのは、宮川大輔が"お祭り男"として世界の祭りに参加する番組の名物企画、「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」の2018年5月20日放送回。番組で放送された「橋祭り」の内容は、橋に見立てた全長25メートルの板を自転車で渡り、スピードなどを競うという内容だった。
週刊文春は、ビエンチャンに赴任する日本人駐在員が「ラオスで『橋祭り』なんて聞いたことはない」「不自然な点が多すぎます」と異議を唱える声などを紹介。「橋祭り」の実態は開催2回目のコーヒーフェスティバルの片隅で催された「自転車アクティビティ」で、「自転車アクティビティの実施は日本側が提案し、タイの人間が手伝って実現」したとの関係者コメントを掲載した。
日本テレビは8日に発表した声明で、「(企画は)現地からの提案を受けて成立したもので、番組サイドで企画したり、セットなどを設置した事実はなく、また、番組から参加者に賞金を渡した事実もございません」と否定。
一方で、「今回放送した会場での開催実績を十分に確認しないまま作業を進めて」しまい、「橋祭り」が毎年行われているような「誤解を招く表現」になったとして、「番組として真摯に反省すべき点があったと考えております」との見解を示した。
経緯全文は以下の通り。
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「週刊文春」(11月15日号)掲載
「世界の果てまでイッテQ!」の記事に関する見解
この度、週刊文春に掲載されました、「世界の果てまでイッテQ!」(以下、「イッテQ!」)、ラオス「橋祭り」企画の記事に関しまして、下記の通りご説明申し上げます。
①「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」の企画コンセプトについて
当番組の「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」企画(以下、「祭り」企画)は、これまでも大規模で伝統的な祭りだけでなく、小さな地域で行われる様々な大会や、コンテスト、催しなども含めて、幅広く"祭り"として取り上げてまいりました。小規模の催しにも参加してきました。企画の決定に関しては、番組がリサーチした世界の祭りから選ぶケースや、世界各国の現地コーディネート会社や旅行会社、イベント会社などから提案を受けて、参加するケースなど様々です。祭りの参加に際しては、現地のルールに則って参加しておりますが、撮影に際して、体制やスケジュール、安全面等、様々な協議をし、協力を仰ぎながら進めております。
また、それぞれの祭りのネーミングについては、例えば「チーズ転がし祭り」や「トマト祭り」、元々、日本でも広く知られているものもあれば、「ブタ祭り」、「人間ボウリング祭り」、今回の「橋祭り」など、現地の名称では内容が伝わりにくいものに関してより親しみを持って伝わるよう、番組でわかりやすく意訳して名前をつけているものもあります。
②今回の企画の成立について
今回の企画は、現地からの提案を受けて成立したもので、番組サイドで企画したり、セットなどを設置した事実はなく、また、番組から参加者に賞金を渡した事実もございません。
ラオスの情報文化観光省には、番組の趣旨を十分に説明し、正式な手続きを経て当局の許可をいただき、撮影にもご協力をいただきました。
現地コーディネート会社からの提案では、水の上の一本橋を自転車を渡る催しは、東南アジアのテレビ局でも取り上げられるなど各地で人気となっている催しとの事で、番組サイドでも資料映像等を確認した上で、企画決定に至りました。
一方でこの催しについて、コーディネート会社から、ラオスでは村単位で開催されているという説明はあったものの、今回放送した会場での開催実績を十分に確認しないまま作業を進めてしまいました。結果、この会場で初めての開催であった「橋祭り」を、放送では毎年行われているかのような、誤解を招く表現となりました。この点については、番組として真摯に反省すべき点があったと考えております。
また、「橋祭り」が現地のコーヒーフェスティバルの敷地で開催されることは、事前に承知しておりましたが、これまでにもイベントとセットで催しが行われるケースは珍しいことではなく、意図して紹介しなかったわけではありません。
③「世界の果てまでイッテQ!」の制作姿勢について
「イッテQ!は、ロケの失敗や不成立に関しても、隠さず見せることで、番組をより楽しんでいただけるという姿勢で制作にのぞんでいます。番組としては今回、意図的に隠した事実はありませんが、開催実績について毎年今回の撮影場所で実施されているような、放送上、誤解を招く表現があったことに関しまして、ご批判を真摯に受け止めております。今後の「祭り」企画については十分に確認の上、誤解を招くことが無いような形で放送いたします。これからも視聴者のみなさまにご支持いただける番組作りに邁進する所存です。」(情報・制作局長 加藤幸二郎)