アメリカのトランプ大統領が機密情報をロシア外相らに漏らしたとされる疑惑について、ニューヨーク・タイムズは5月16日、漏洩したのはイスラエルから提供された情報だったと報じた。同紙は、アメリカと友好国イスラエルの関係が悪化する可能性があると指摘している。
当局者らの話として同紙が報道したところによると、トランプ氏がロシアのラブロフ外相らと会談した際に漏洩したとされる情報は、アメリカなどが把握したイスラム過激派組織IS(イスラム国)が企んでいる計画に関する情報で、少なくともそのいくつかはイスラエルから提供されたものだという。
イスラエルはアメリカの最重要同盟国で、中東での諜報活動にたけているとされる。同紙は、イスラエルと敵対関係にあるイランがロシアと友好関係にあることを指摘。その上で、イスラエル発の機密情報がロシア経由でイランに渡れば、中東の不安定化を招くとしている。
ニューヨーク・タイムズの取材に対し、ダーマー駐米イスラエル大使は「イスラエルはアメリカとの情報共有関係に全幅の信頼を寄せており、トランプ政権においても関係が深まることを期待している」と電子メールで回答。漏洩疑惑については言及しなかった。
漏洩疑惑をめぐり、トランプ大統領はツイッターで釈明した。
私は大統領として(日程が公開されたホワイトハウスでの会合で)、テロや航空機の安全飛行に関連する事実をロシアと共有したかった。私にはそうした絶対的な権限がある。人道主義的な理由であり、ロシアがISとテロとの戦いを飛躍的に向上させて欲しかった。