IS(イスラム国)が、拉致したヤジディ教徒やキリスト教徒の女性たちを売るために「価格表」を作成していることが確認された。驚くべきことに、価格表では1歳の幼児にまで値段がつけられていた。
この価格表の存在を確認したのは、紛争下の性的暴力担当国連事務総長特別代表を務めるザイナブ・バングーラ氏だ。
「価格表は実在する」と述べるザイナブ・バングーラ氏。
価格表が存在することは、2014年にすでにわかっていたが、当初はねつ造されたものだという意見もあった。過激主義対策を提言するシンクタンク「キリアム財団」は、価格表はISに対抗する勢力によるプロパガンダの可能性が高いと述べていた。しかしバングーラ氏によれば、イラクで現地調査を行った結果、価格表が本物だと確認できたという。
価格表には、女性の価格についての詳細が書かれており、最も高値がついていたのは、1〜9歳の子どもたちだった。
ヤジディ教徒またはキリスト教徒の女性・少女の価格表。40歳~50歳は43ドル(約5400円)、30歳~40歳は75ドル(約9400円)、20歳~30歳は86ドル(約1万700円)、10歳~20歳は130ドル(約1万6000円)、1歳~9歳は172ドル(約2万1000円)
バングーラ氏はブルームバーグのインタビューでISの奴隷取引について次のように語っている。
「少女たちは、『1バレルいくら』で売られるガソリンのように、売買されています。1人の少女が5人か6人の男たちに売買される場合もあります。その兵士たちが、少女や女性の家族に数千ドルの身代金を要求して売り戻すこともあるのです」
ヤジディ教徒の少女や女性が、組織だった強姦や、性的な暴行を含む身体的暴行、奴隷労働や結婚の強要の犠牲になっていることは、2015年4月にリリースされた人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチのレポートにも書かれている。
また、ISの手から逃げることができた人たちの話からも、拉致された女性たちが残酷な扱いを受けていることがわかっている。彼らによれば、ISは女性たちを拉致するための組織化されたシステムを持っているそうだ。拉致された女性たちはあちこち連れまわされた挙句、むち打ちや電気を使った拷問、強姦などの性的暴行を受けるほか、改宗と結婚を強要されているという。
この記事はハフポストUK版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:遠藤康子/ガリレオ]
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