イスラム国(旧称ISIS)の指導者たちは9月中旬、支持者に対し、西欧諸国での攻撃を開始するよう呼びかけた。しかし、イスラム国がシリアやイラクの国外においてどれほどの支援を行なえるか、また、そういった攻撃を実際に実行できるのかは疑問だった。
そうしたなか、ニュースサイト「Vocativ」はこのほど、アメリカ国内で公然とイスラム国を支持する者を十数名発見したと報じた。
Vocativは、特定したイスラム国支持者十数名の身元を明らかにしていないが、一部について次のように紹介している。
ある支持者は、ニューヨーク市出身の若い男性で、中西部にある有名なイエズス会系の大学に在学し、奨学金で化学を勉強している。彼のFacebookカバー写真にはISISの旗が使われているほか、イスラム国に関連する投稿も見られた。
Vocativは、本人との接触はできなかったものの、母親から電話で話を聞いており、それによると「息子は将来、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)社で働きたい、と話している」とのことだった。両親はアフリカ東部出身だが、本人はアメリカを出国したことはない。母親との電話の直後、本人のFacebookならびにTwitterアカウントは削除された。
ソーシャルメディアでの彼の動きは、アメリカ連邦捜査局(FBI)機関の合同テロ対策タスクフォースの目も引いていたようだ。Vocativが、大学のある地元の警察に連絡を取ったところ、次のような答えが返ってきた。「情報を入手して調査を始めた数人のFBI捜査官が、今こちらにいます」
もう1人は、テキサス州の大学で技術管理を学んでいる学生で、イスラム国のプロパガンダや、イスラム国の服装を身につけた自身の写真をインターネットに投稿していた。過激主義的なメッセージを広めようとしてモスクから追い出されたこともあるという。
もう1人はミネソタ州の女性で、好きな映画としてISISのプロパガンダ動画を挙げたり(「ハンガー・ゲーム」「トワイライト」「シュレック」と一緒にだ)、アンウォー・アル・アワラキの写真を投稿したりしていた(アワラキはイエメン系のアメリカ人だが、アルカイダの幹部の1人で、2011年の米軍無人機による空爆で死亡したと報道されている)。
Vocativは、以上に挙げた3名全員に接触を図ったが、反応は得られなかった。しかし、ミネソタ州の女性が働くモスクの事務員の話から、その女性がモスク附属学校の教師であることがわかっている。
Vocativが特定したイスラム国支持者の多くは、ミシガン州を拠点とする急進的な宗教指導者アーマッド・ムサ・ジブリル氏の信奉者だ。同氏は、マネーロンダリング、脱税、陪審員に対する贈賄で6年間服役したことがあると、Vocativは伝えている。現在は執行猶予期間中で、GPS発信器を身につけているが、Facebookで22万回の「いいね」を獲得、Twitterには2万6000名ものフォロワーがいる。
ある情報源がVocativに語ったところによると、ジブリル氏は信奉者たちに対し、シリアへ行くよう促している。しかし、Vocativの記者がジブリル氏の自宅を訪れると、次のような答えが返ってきたとのことだ。「しばらくここにいれば、何が起きるかわかる」
[Ed Mazza(English) 日本語版:遠藤康子/ガリレオ]
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