「日本維新の会」の石原慎太郎・共同代表は5月29日に都内で会見を開き、党を2つに分党することを発表した。橋下徹共同代表らが合併に向けて準備を進める「結いの党」とは、政策の隔たりが大きいため受け入れることができないのが理由だという。
石原氏は、都知事就任前の1973年に結成した自民党内の議員グループ「青嵐会」で、尖閣諸島を購入する計画があったことを例に挙げて、集団的自衛権の重要性を強調。「私たちが政治生命を賭けてきた問題について、合点のいかない政党と手を組むことは許容できない」と、分党に至った経緯を説明した。
維新は2012年11月に石原氏が率いた旧太陽の党と合流し、石原、橋下両氏の2頭体制で野党再編を目指してきたが、1年半ほどで分裂することになった。石原氏の会見要旨は以下の通り。
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■「結いの党との合併は、政界再編の引き金にならない」
石原氏:「橋下さんが『結いの党との合体という物を一つの引き金にして野党の再編成をしたい』という希望を持っているのは否めませんが、私はそれがそんなに大きな(政界再編の)引き金になるとは思えない。
結いの党との合併・合体が進んでいくプロセスの中で、集団的自衛権などの日本にとって致命的な問題に関して、江田氏や結いの党の見解に大きな齟齬(そご)が感じました。私は、とてもこういう人達と維新の会が合体する所以はないという確信を抱くに至りました。
野党再編を私は否定しませんが、それに向かうにしても選択の方法が違うんじゃないかと思い続けてきましたし、その相手として結いの党を選ぶということに合点はいかない。
『結いの党との合体にどうしても賛成するわけにいかない。ならば、山の登り方も道が違うこともあるだろうし、分党した方が、あなた方も結いの党との合併がしやすいだろうし、私たちも野党の再編成なり憲法の問題、集団自衛権の問題を考えていける』と橋下さんには申し上げた。
特に集団的自衛権の問題は、私も都知事の在任中に火をつけた尖閣諸島という日本の固有の領土の統治権の問題(とも絡んでくる)。私が衆院議員に在任中に数人の仲間と作った青嵐会でも、この問題に着目して、あそこの持ち主の栗原一族から買ってもいいじゃないかという決心をしたくらいのものですから。その(尖閣諸島の)問題は大きく浮上してきているわけです。
こうした、私たちが政治生命を賭けてきた問題について、いかにも合点のいかない政党と手を組むことは私は許容できない。(代表代行の)平沼(赳夫)さんなどとも計って思い切って『分党』という決心を固めました」
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