日韓、北朝鮮など

昨年末の日韓外相会談により、所謂従軍慰安婦問題に一定の解決が図られました。
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石破 茂 です。

新年明けましておめでとうございます。旧年中賜りましたご厚情に心よりあつく御礼申し上げますとともに、本年が皆様にとって良き年となりますようにお祈り致します。

昨年末の日韓外相会談により、所謂従軍慰安婦問題に一定の解決が図られました。

この件については様々なご意見があることを十分に承知しておりますが、私自身はこの解決を正しく認識すべきものと考えております。

韓国の内政問題の要素も大きく、今後韓国内の世論の動向を注意深く見ていかなくてはなりません。軍事政権下において日韓関係が比較的静穏であったのは、世論がコントロールできる体制であったからであり、民主化後は大きく様相が異なります。

日韓に緊密な連携を取り戻すことが北東アジアの平和と安定の大きな鍵であることは間違いのない事実であり、それなくして日米同盟も、米韓同盟もその機能を完全に果たすことはできません。日本も、韓国も、国家指導者の大変な懊悩の末に今回の進展があったと私は考えます。

水爆かどうかは別として、北朝鮮の今回の核実験は、日本国として拒否的抑止力の実効性を更に高める必要性を更に認識させることになったと思います。

この5月、36年ぶりに開かれる朝鮮労働党大会を控え、金正恩第一書記に対する忠誠心発露や功名争いは一層エスカレートするでしょうし、ソ連、ルーマニア、イラク、リビア等々、専制独裁国家の崩壊の要因を徹底的に研究した上で体制維持を図っている北朝鮮金体制が国際社会の要請にそうすんなりと応じるとは考えにくいのも事実です。

制裁強化をはじめとする圧力を加えつつも、我が国が報復的・懲罰的抑止力を保持しえない以上、日米同盟の信頼性を高め、ミサイルディフェンスの能力向上や国民保護法制の徹底を図ることは急務です。

イスラエルのように加盟していない国はどうなるのか、パキスタンやインドのように「やった者勝ち」になるのではないか等、NPT体制も決して完全なものではありませんが、すべての国が核兵器を持つことになりかねないNPT体制の崩壊は悪夢以外の何物でもありません。国際社会としてこの確認には常に万全の注意を払うべきです。

お正月はあっという間に過ぎ去ってしまい、読みたいと思って用意していた本の三分の一も読めなかったのですが、楡修平氏の「プラチナタウン」(祥伝社文庫)は、今回法案提出を予定している「生涯活躍のまち(CCRC)」構想を具体的に描いたものとして、今まできちんとこれを読んでいなかった不明を恥じつつも、大きな共感を持って読みました。楡氏の筆力と正論にはいつも敬服させられます。御一読をお勧めいたします。

4日から国会が始まり、衆・参本会議、衆議院予算委員会と審議が続いていますため、十分に紙幅を費やすことが出来ませんことをご容赦ください。

週末は9日土曜日が「激論!クロスファイア」出演(BS朝日系・午前10時・収録)、「地方創生で守山を元気にする会」(午後2時・守山市民ホール)と「冨士谷近江八幡市長後援会賀詞交歓会」(午後5時・ホテルニューオウミ)で講演。

10日日曜日は、あいサポートフォーラム「変化する社会・福祉創生で福祉も一役」で対談(午後1時・米子コンベンションセンター)、鳥取県経済同友会創立50周年記念座談会(午後2時半・同)。

11日月曜日祝日は自民党鳥取県連常任総務会(米子市内)、という日程です。

お正月気分もすっかり抜けてしまい、何だか寂しいような思いも致しております。

皆様お元気でお過ごしくださいませ。

(2015年1月9日「石破茂オフィシャルブログ」より転載)