オーストリアなど

テレビはその瞬間、新聞はその日、週刊誌はその週だけを追っており、これはその性格上当然のことなのですが、その評価の対象である我々は、もう一度この言葉の意味を噛みしめなくてはならないのだと思います。
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石破 茂 です。

今週火曜日早朝、羽田着の便で、二泊四日のオーストリア出張から帰国致しました。

林業現場、CLT工場、CLT建築や農村観光の現場視察、フィッシャー大統領やルプレヒター農林・環境・水利担当大臣との会談など、息つく暇もない日程でしたが、得るところが非常に大きい有意義な出張となりました。

ご尽力頂いた竹歳誠・駐オーストリア日本大使、大使館スタッフの皆様、まち・ひと・しごと創生本部の皆様のおかげと、深く感謝申し上げます。

人口八百万人、北海道くらいの広さしかない国において、何故林業が主要産業であり、人口の三倍の外国人観光客を集客し、一人当たりの国民所得は日本より多く、原発なしでやっていけるのか。

地盤が固くて林道網の整備が容易でコストが低い、陸続きの国からの客が多く送電も受けられる、人口の少ない小国であるが故に労働生産性の低い産業が無い、等々と一言で片付けてしまうのは簡単ですが、それで終わってしまっては何の進歩もありません。

実に当たり前の話、百聞は一見に如かずなのであり、今後よく分析して我が国の政策に生かすべく、考察を重ねてどこかで近々記したいと思います。

帰国後、昨日は単独選となった岩手県議選の応援で二戸市と久慈市へ、今日はこれから市長選の応援で山形県酒田市へ、明日は北海道長万部の東京理科大学長万部キャンパスでの「地方創生サミット」と自民党札幌市支部連合会のセミナーで講演、明後日は自民党茨城県連創設50周年大会で講演と引き続き慌ただしい日程が組まれています。

日々の用務に追われる毎日に恐怖に近いものを感じていますが、人事は棺を蓋うて定まる、という言葉を何故かしみじみと思うこの頃です。

テレビはその瞬間、新聞はその日、週刊誌はその週だけを追っており、これはその性格上当然のことなのですが、その評価の対象である我々は、もう一度この言葉の意味を噛みしめなくてはならないのだと思います。

都心は暑さが戻ってきたような日々が続きました。ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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(2015年9月4日「石破茂オフィシャルブログ」より転載)