「日本維新の会」の橋下徹共同代表のグループと「結いの党」が合流してできる新党について、民主党の細野豪志前幹事長が「統一会派を組む可能性を探るべき」と5月31日に述べた。毎日新聞などが報じた。
細野氏は記者団に「(維新・結いによる新党と)統一会派を組む可能性を探るべき時期が来ている。民主執行部にもやってほしい」と述べた。
(毎日新聞「結いの党:江田代表 今夏にも新党設立の考え」2014/05/31 21:30)
結いの党の江田憲司代表は同日、新党について「7月とか8月のお盆前、少なくとも臨時国会までには新党を作る」として、今夏にも新党を設立する考えを示している。
■民主と新党が組めば200人程度の勢力に
日本維新の会は、橋下氏らが進める結いの党の合流をめぐって、党内対立が激化。橋下氏と2枚看板で共同代表を務める石原慎太郎氏は「合点のいかない政党と手を組むことは許容できない」と会見で表明。分党することになった。今後、維新の所属議員62人は、橋下氏らのグループ40人程度と石原氏のグループに20人程度に分かれると見られている。
一方で、結いの党の所属議員は14人。橋下氏らのグループと合流してできる新党の規模は50〜70人程度と見られている。もし細野氏が指摘するように最大野党である民主党(議員数:115人)が統一会派を組めば、衆参で200人近くの大きな野党勢力となる。
409人の自民党には及ばないまでも、一定の歯止めをかけることが期待できそうだが、民主党の自主再建を掲げてきた海江田万里代表は政界再編に慎重だ。
海江田氏周辺は「焦って野党再編に動く必要はない」と指摘する。大畠章宏幹事長も29日の記者会見で、「連携ありきだと国民から理解されない」と拙速な行動に否定的な考えを示した。
(MSN産経ニュース『民主、野党再編へ呼応加速 「海江田降ろし」拍車も 前原氏「いよいよ動きだすのかな」』2014/05/30 08:20)
■政策のすり合わせなき政界再編に警鐘を鳴らす元首相
とはいえ、民主党内では政策のすりあわせがないまま、人数だけ増やそうとする政界再編に警鐘を鳴らす声もある。菅直人元首相は5月30日、自身のブログで次のように指摘した。
1強6弱の国会の現状を変えるため、大きい野党を作ろうと、政界再編を目指す気持ちは分かる。しかし、政界再編でもう一つ重要なのは、国民の皆さんに国政における重要政策の選択肢を提供することだ。特に原発と集団的自衛権に対する姿勢が曖昧では、選択肢にならない。
再稼働させず脱原発を目指すこと、そして憲法解釈の変更による集団的自衛権を認めないこと、この2点を明確にした、リベラルな野党の結集が多くの国民に望まれている。
(菅直人オフィシャルブログ「今日の一言」/「加速する政界再編」2014/05/30)
菅元首相は、この上で「民主党も路線を明確にして踏み出す時だ」と記事を結んでいる。
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