高畑勲監督が死去、82歳 ジブリ映画「火垂るの墓」「かぐや姫の物語」を手がける

日本アニメ界の巨匠が、この世を去った。
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高畑勲監督(2009年〉
EPA=時事

スタジオジブリ作品「火垂るの墓」などで知られるアニメーション監督の高畑勲さんが4月5日、肺がんのため東京都内の病院で死去した。スタジオジブリが6日、ハフポスト日本版など報道各社へのFAXで明らかにした。享年82歳。

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高畑さんは1935年10月、三重県伊勢市生まれ。1959年に東大文学部・仏文学科を卒業し、東映動画(現:東映アニメーション)に入社。親しい仲間内では「パクさん」の愛称で親しまれた。

64年にテレビアニメ「狼少年ケン」(第14話)で初演出を担当。監督デビューは68年の「太陽の王子・ホルスの冒険」だった。

東映動画を退社後、テレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」などヒット作も手がけた。

1985年、盟友・宮崎駿監督とともにスタジオジブリ設立に参加。日本アニメーションの「巨匠」として数々の名作を手がけ尊敬を集めた。

1988年に作家・野坂昭如氏の代表作「火垂るの墓」(1988)をアニメ映画化。太平洋戦争に翻弄された兄妹の悲劇を、迫真のアニメーションで見事に表現した。

手描き風アニメーションや水墨画風の色彩表現を追求した「かぐや姫の物語」(2013)ではアカデミー賞の長編アニメ部門にノミネートされた。

この他に「おもひでぽろぽろ」(1991)、「平成狸合戦ぽんぽこ」(1994)、「ホーホケキョとなりの山田くん」(1999)など、日本アニメ史に残る名作を監督した。

プロデューサーとしては宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」(1984)や「天空の城ラピュタ」(1986)などを手がけた。