イランの最高指導者であるハメネイ師が「核兵器を製造も、保有も、使用もしない。その意図もない」という意向を示した。
ハメネイ師の公式Twitterの写真にもあるように、イランを訪問中の安倍晋三首相は、ハメネイ師と6月13日に会談した。
その後、安倍首相は記者団に「核兵器を製造も保有も使用もしない。その意図はない、するべきではないとの発言がありました」とハメネイ師の言葉を伝えた。
イランは、アメリカが経済制裁を進めることに強く反発しており、今回の会談を通じて、イランの姿勢に変化が生じるかどうかが注目されていた。
■絶大な権力を握る「最高指導者」
産経ニュースによると、1979年の革命以降、イランではイスラム教シーア派の法学者による統治が続いている。最高指導者は国政全般に最終決定権を持ち、絶大な権力を握るという。
■安倍首相の発言全文
ANN newsチャンネルがYoutubeにアップした動画によると、安倍首相が記者団に語った発言全文は以下の通り。
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先般、(アメリカの)トランプ大統領と会談をした際、トランプ大統領からは「事態のエスカレートは望んでいない」との旨の発言がありました。
詳細については控えたいと思いますが、トランプ大統領とは今まで何度か意見交換を行い、お話をうかがっております。大統領がどのような意図を持っているのか、私の見方として、ハメネイ師に率直にお話をいたしました。
緊張の高まりが懸念され、(アメリカとイランで)互いに複雑な国民感情がありますが、そうした状況だからこそ、関係国のトップ同士がともに緊張緩和に向けた意思を持っていることが極めて重要です。
昨日、(会談したイランの)ロウハニ大統領からは戦争は望んでいないとの明確な発言がありました。本日はイランの最高指導者であるハメネイ師と直接お目にかかり、平和への信念をうかがうことができました。
これは、この地域の平和と安定の確保に向けた大きな前進であると評価しています。
ハメネイ師からは、核兵器を製造も保有も使用もしない。その意図はない、するべきではないとの発言がありました。
緊張緩和に向けた道のりは大変困難を伴うものでありますが、この地域の平和と、世界の平和と安定のためにこれからも努力を重ねていきたいと考えています。
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