アップルは2014年秋、音楽プレーヤー「iPod classic」の販売を終了した。だが、この大型のデバイスを欲しがる人はまだまだ大勢いて、しかも彼らは大金を払うこともいとわないようだ。
「ガーディアン」紙の記事によれば、アマゾンやイーベイでは、中古品のiPodが元値の数倍の値をつけているという。アップルが販売を終了して以来、イーベイでのiPod classicの販売台数は3000台にのぼっている。
iPod classicの魅力は、驚くほどの記憶容量にある。160GBモデルでは、最大4万曲の保存が可能だ。それに対して、iPhone 6の記憶容量は最大で128 GB。iPod touchの場合は最大で64GBしかない。
以下の80GBモデルのiPod classicは、2007年には249ドルで販売されていたが、現在では550ドルの値がついている。
こうしたブームがにわかに巻き起こったのは、今年9月のこと。アップルが、正式な発表のないままiPod classicの販売を終了したのがきっかけだった。日本でも9月から価格が高騰しており、160GBモデルは、2万4000円が7万4000円になっている。
アップルによれば、販売終了は、製造に必要な一部の部品を入手できなくなったためだという。その1カ月後にはティム・クック最高経営責任者が、「デザインし直して、販売することは難しい」と説明した。
そうはいっても、iPod classicのファンは、この由緒あるデバイスをできるかぎり長く手元に置いておこうとするだろう。CD時代のレコード愛好家たちのように、熱狂的な音楽ファンのなかには、簡単にあきらめきれない人たちがいる。
「スタッフ」誌の編集者ウィル・ダン氏は、2013年1月の時点ですでに、販売が打ち切られたらiPod classicの価格は高騰するだろうと予言していた。ダン氏によると、iPod classicはストリーミングサービスとは違って、「音楽を聴く」という体験に重点が置かれており、ほかの選択肢に気をとられずに、アルバムを通しで聴きやすいのだという。
「iPod classicを愛してやまない人たちが今でもいるが、それは驚くことではない」とダン氏は、ガーディアン紙の記事のなかでコメントしている。「Spotifyは、2000万曲を提供しているかもしれない。けれども音楽なら、120GBもあれば、たいていの人には十分すぎるほどだ。それに、iTunesのライブラリなら、データチャージも定額利用料金もかからない」。
2007年当時のiPod Classic
この記事はハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
[日本語版:梅田智世/ガリレオ]
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