キャリアと契約すれば安くなる、あるいは日本のように実質ゼロ円だというのとは異なり、機器購入と通信費契約が別立ての中国ではiPhone5Sや5Cは価格が高くなり売れるわけがないと思われていたにもかかわらず、販売開始直後にあっというまに売り切れ、プレミアム価格でなければ入手出来ないという人気ぶりだとrecordChinaが伝えています。ただしiPhone5Sのゴールドの話です。
アップルの誤算だったのか、はたまた中国を意識してゴールドをラインにいれたのかははかりかねますが、わかるなあ、という感じです。富裕層のステータス・シンボルとして受けているのだと思います。同記事によると、アップルはサプライヤーにゴールドタイプの生産台数をさらに3分の1増やすよう要請しているようです。
ウィキペディアによれば、マッキンゼーによる調査で、年収200万元(約3000万円)以上の富裕層が年率15%の勢いで増加しており、2015年までには400万世帯を超えるそうです。そうなると富裕層の数で米国・日本・英国に次ぐ世界第4位となるわけですが、「中国人富裕層は若年層が多く、45歳以下が80%を占めている」というところが日本とは異なるところで、iPhoneとしてはドンピシャのターゲットとなってくるのでしょう。
市場はやってみなければわからない、実際に売りだすと想定とは異なった結果が生まれるということはよくあることです。予想に反した意外な結果も、後出しジャンケンの解釈で納得できるということもしばしばです。「まさか、なるほど」の法則です。
ただロケットニュース24によれば、ゴールドだけにあらわれる「画面不具合」があるそうで、もし初期ロットの不具合だとすればゴールドはもうすこし様子を見てからのほうがいいようですが、ただこの不具合の発信元が中国なので日本でもそうなのかはわかりません。
iPhone5Sゴールドの人気ぶりを受けて、さっそくサムソンもGalaxyS4ゴールドカラーを出すことを発表していますが、ちょっとタイミングが悪すぎではないでしょうか。機を見て敏というのはいいのですが、このタイミングの発表では、下手をすると、また真似か、またパクリかとなってしまいますね。
(※この記事は9月27日の「大西 宏のマーケティング・エッセンス」より転載しました)