「最新iPhoneが簡単に曲がってしまう」という話は、「iPhone 6 Plus」を両手で簡単に曲げてみせる動画(日本語版記事)や、Twitterに投稿された複数の写真(日本語版記事)とともに、ネット上で急速に広まった(この問題は、iPhone 4で問題になった「アンテナゲート」をもじって、「ベンドゲート」とも呼ばれている)。
しかし、非営利の消費者組織が運営する「コンシューマー・レポート」は、iPhone 6とiPhone 6 Plusについて実験室でのテストを行い、最新iPhoneが特に曲がりやすいわけではないことを証明した。
コンシューマー・レポートが行った「ハードウェア強度のテスト」では、各社のスマートフォンを、2つの木製ブロックに橋を架けるようにして置き、その中央部分に、精度の高い荷重試験機で上から力を加えた(冒頭の写真と以下の動画を参照)。
iPhone 6と、ひとまわり大きいiPhone 6 Plusは、確かにiPhone 5よりも小さい力で曲がったが、最も弱かったのはこれらのApple製品ではなかった。試験された6機種のスマートフォンのうち、最も小さい力で変形し、画面とケースが分離してしまったのは「HTC One」だった。
コンシューマー・レポートは、9月26日付けで「ConsumerReports.org」に掲載した記事で、次のように述べている。「感心させられたのは、インストロン社の試験機によってかなり激しく損傷しながら、一部のスマートフォンは、なお機能し続けたことだ。いくつかの画面は試験後も点灯し、タッチ操作に反応した。さらには、別の電話機と通話することさえできた」
テストの様子は、次の動画で見ることができる(テストでスマートフォンに加えられた力の大きさを、鉛筆を折るのに必要な力や、テニスボールの変形と比較した場面もある)。
いっぽう、ネット上で「ベンドゲート」が大騒ぎになったことを受けて、こうした騒動にあまりコメントしないことで知られているApple社も、反論する必要に迫られたようだ。
Apple社は9月26日にハフポストUS版を含むメディアに対して長文の声明を寄せ、実際に新型iPhoneが曲がったという顧客からの報告は9件だけであり、「きわめてまれ」な事例であると述べた(リンク先によると、同社は出荷前に厳しいテストを行っており、「3点曲げテスト、移動繰り返し衝撃テスト、ねじれテスト、ユーザー調査」などを行っていると述べている)。
また、Apple社は9月26日、カリフォルニア州クパティーノの試験施設に報道関係者を招き、iPhoneがどれほど厳しくテストされているかを、その目で確かめさせた(以下の動画)。
動画はCNBCによる。冒頭にCMが入っている。
施設を訪れたCNBCの記者に対し、Apple社のエンジニアリング部門を率いるダン・リッキオ氏は、発売前に1万5000回もの試験が行われたiPhone 6は、「これまでで最も入念にテストされた製品だ」と述べた。
しかし、9月24日にリリースしたiOS 8オペレーティングシステムのアップデートでトラブルが生じ、いったん撤回を強いられたことも重なって、Apple社にとって9月第4週は苦難の一週間になった。この2つの「つまずき」で同社の株価は25日に急落した(日本語版記事)が、週末前の26日には値を戻している。
[Alexander C. Kaufman/Alexis Kleinman(English)日本語版:水書健司、合原弘子/ガリレオ]
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