Instagram、ヌードと他人の投稿写真のシェア禁止を強化

「1. 自分で撮った写真とビデオを投稿すること。2.服を着ていること」Instagramのルールは変わっていないが明確化された。
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「1. 自分で撮った写真とビデオを投稿すること。2.服を着ていること」これを含めてInstagramのルールは変わっていない。しかし、今日発行されたコミュニティーガイドラインの変更によって、ルールが明確化された。

問題は、自分が権利を持たない写真の投稿禁止をInstagramがどこまで行使するつもりなのかだ ― 同サービスで最も人気の高いコンテンツであることを踏まえ。心に響く引用句、ミーム、テレビのスクリーンショット、コンサートの写真等、いずれも誰かが通報すれば規則違反になるものばかりだ。

「ポリシーは以前と全く変わっていないが、われわれは透明性の高い資料を提供しようとしている」とInstagramのパブリックポリシー責任者、Nicky Jackson Colacoは語った。

これがInstagraの古いコミュニティーガイドラインで、これが新しい版だ。Colacoは私に「現在のポリシーはサービスがかなり小さい頃のものであり、現在は3億人以上のアクティブユーザーがいて米国外にも数多くいる」と言った。彼女の目標は、世界中に通用するポリシーを作ることだ。

Instagramのおきて

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新たな説明によって明確化された中で、最も議論を呼んでいるものを以下に挙げる:

  • シェアできるのは自分で撮影したか権利を持っている写真とビデオだけ ― インターネットでコピーあるいは収集した、自分で投稿する権利のないものを投稿してはならない。

  • 多様な視聴者にとって適切な写真やビデオを投稿すること ― Instagramはヌードを認めない。これには...性交、性器、全裸臀部のクローズアップを含む。女性の乳首の写真も一部含まれるが、乳房切除跡および授乳している女性の写真は含まない。ヌードの絵画および彫刻の写真はOK。

  • 法を遵守すること ― 性的サービスの提供、違法ドラッグあるいは処方薬(ユーザーの地域で合法であっても)および快楽的薬物利用の促進は許可されない。*

  • ニュース価値のある事象の投稿は慎重に ― ユーザーがしばしば非難あるいは注意喚起を目的に画像をシェアことは理解している。そのような理由でコンテンツをシェアする場合、露骨な内容を含むことを説明文に加えることを推奨する。

さらにInstagramは、ヘイトスピーチ、脅迫、恐喝、児童ポルノ、自傷行為の美化あるいは奨励を禁止している。

[*]Colacoは、アルコール、タバコ、および最も興味深いことにマリファナの写真は禁止されておらず、薬物の禁止は主として麻薬関連であると私に語った。

しかし、強制は可能なのか?

Instagramのポリシーは、清潔を保ち、保守的な国々で閉鎖させられることを防ぐかもしれないが、ガイドラインが検閲的に過ぎると見る向きもある。

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インターネット・アーティストで、芸術的ヌードの禁止に対する辛口な批判で知られるRonen Vは、「ある意味でFacebookの芸術・言論に関する検閲は、現代の写真に相当する絵画や彫刻に関する1500年代のカトリック教会以上に性差別的で抑圧的である。しかし、少なくともルールを明文化することによって、Instagramの利用が作者にとってロシアンルーレットになる可能性は低くなるだろう。何が認められた言論で何が禁止されているかを正確に知ることができるようになる」と私に言った。

Colacoはこう反論する。「われわれは、人々が真に創造的な表現ができる場になりたいと明確に考えている。難しいのは、このための標準が一つではないことだ。境界線上のものを判断するのは極めて困難だ」。そこでFacebookは、非常に保守的に線を引き、誰かを不快にさせることを避けるために、人々が芸術をシェアする自由を阻害することを受け入れることを選んだ。

こうした明確化は、クリエーターがヌード規則を曲げたり破ったりしてアカウントを停止されるのを防ぐのに役立つ。しかし、既にInstagramはユーザーからのReport[通報]ボタンできわどい画像を検出する仕組みを持っている。著作権コンテンツを監視するのははるかに大変だ。

Instagramにおける無断再シェアの存在は紛れもなく巨大だ。Lolcatスタイルのインターネット・ミームや、くだらない人生肯定フレーズやキャプション付きスクリーンショットが山ほどの「いいね!」を獲得する。何百万人ものフォロワーを持ちこの種のコンテンツに専念しているアカウントがいくつもあり、中にはブランドのスポンサー付き投稿をシェアして報酬を得ている者もいる。

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この写真はInstagramの倫理を巡る議論を呼んだ

YouTubeやSoundCloud等のユーザー生成コンテンツネットワークと異なり、Instagramは著作権指紋による自動違法コンテンツ削除システムを導入していない。「われわれは生まれて数年しかたっていない。今後どんどんツールを良くしていくつもりだ」とColacoは私に言った。しかし今のところ、コンテンツ所有者が自分のコンテンツを無許可でシェアする人々を通報して削除させるためには、手作業でInstagramをチェックするほかない。

しかしそれは全く非現実的だ。毎日7000万枚の写真がシェアされ、中には非公開のものもあるため、コンテンツ所有者が無許可コンテンツを監視し続ける方法はない。期待できる最善の道は特別人気の高いアカウントにシェアされたのを見つけることだが、Instagramのフィードがリアルタイムでフィルターされていないことを考えると、おそらく見つけた時点ですでに膨大な視聴者の目に触れているだろう。

Instagramは著作権コンテンツの通報を便利にしようとしない。他の殆どの違反はアプリのReportボタンで報告できるが、著作権問題の報告には面倒な入力フォームに記入する必要がある。

他人のミームをウェブから取ってきては出典も書かずに転載している、いくつかの人気Instagramアカウントについて尋ねたところ、ColcacoはInstagramが積極的に取り締まるつもりはないことをほのめかした。Instagramに行動を起こさせるためには、著作権保有者自身が立ち上がらなくてはならない。

こうして、ポリシーと執行の間にギャップが生まれる。Instagramは他人の物を投稿してはいけないと言いながら、違反と知りつつ実行する者がいても、被害者が申し出ない限り摘発しようとはしない。実質的に彼らは、権利保持者の保護を強く謳うことで、自分が削除したいものを削除する権利を確保している。しかしInstagramは、自分たちが「再シェア」コンテンツの上にビジネスを築いていることを知っているので、強制されない限り積極的に削除することはないだろう。

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

(2015年04月19日TechCrunch Japan「Instagram、ヌードと他人の投稿写真のシェア禁止を強化」より転載)

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