東京都の猪瀬直樹知事(67)は11月26日午前、医療法人「徳洲会」グループから5000万円を受け取っていた問題で緊急の記者会見を開いた。東京都が公開した記者会見の全文を掲載する。
猪瀬知事は会見の冒頭で、徳洲会グループからの借り入れについて、以下のように説明し謝罪した。当初、猪瀬知事が署名した借用書は、徳田議員側が保管。猪瀬知事が5000万円を返却した後、借用書は徳田毅事務所から人を介して知事の事務所に送られてきたという。
以下、東京都が公開した会見の冒頭を掲載する。
【知事】まず、このたびは、私が医療法人徳洲会グループから5000万円をお借りした問題におきまして、都民の皆様、都庁職員の皆様、そして都議会の皆様に多大なご心配、ご迷惑をおかけしまして、まことに申しわけございません。
その後、手元の資料を改めて確認した結果、経緯についてご説明させていただきます。
2012年11月6日、徳洲会鎌倉病院で理事長の徳田虎雄氏に面会し、都知事選出馬の挨拶を行いました。その後、11月14日に徳田毅議員にもお会いしました。11月19日に、徳田毅議員から電話にて、議員会館においでいただきたいとの話がありました。翌11月20日、衆議院第一議員会館の徳田毅事務所を訪問し、徳田毅氏と面会したところ、徳田毅氏から5000万円をお貸しすると話され、徳田氏が用意した借用書に署名を求められました。これ、借用書であります。
受け取った金銭は、自宅に持ち帰り、使う予定もないので、妻の貸し金庫に預けることにしました。今年1月下旬ごろ、お借りしたお金を返す旨を徳田毅氏に連絡し、2月4日に借入金の返却の方法を打ち合わせすることになりましたが、前日の2月3日に徳田氏側から都合が悪くなったとの連絡が入り、打ち合わせは急遽キャンセルになりました。
これ以後、2月から始まった予算議会、3月上旬におけるIOC評価委員会の来日のプレゼンテーションの準備、4月のニューヨーク出張、5月下旬のロシアのサンクトペテルブルクにおけるスポーツアコードのプレゼンテーションの準備、その直前に妻の脳腫瘍が判明し、7月下旬に亡くなるまで、公務と妻の介護に追われていました。五輪招致は佳境に入り、妻の死亡後も海外出張が続き、落ちついたのは9月7日の五輪招致、ブエノスアイレスからの帰国後でありました。
借入金返却のため、妻名義の貸し金庫から保管していた現金を取り出す手続きが8月23日に確認できたため、返還する準備を進めました。ブエノスアイレスから帰国後、徳田毅氏に連絡をとり、借入金の返却日時を9月26日とすることとし、その日、特別秘書の鈴木が都内のホテルで徳田毅氏の代理人である徳田秀子氏に面会し、借入金を全額返却いたしました。
お借りしたときに作成した借用証は、徳田毅氏事務所から、後日、人を介して私の事務所に郵送されてきました。
経緯は以上であります。
都民の皆様、都庁関係者の皆様、都議会の皆様に多大なご心配、ご迷惑をおかけしましたことを心よりおわび申し上げます。まことに申しわけございませんでした。
(東京都「知事の部屋 / 記者会見(平成25年11月26日)」より 2013/11/26)
※猪瀬直樹知事が緊急記者会見を行いました。借用書を公開し、5000万円の選挙利用を否定したことについてどう思いますか? ご意見をお聞かせください。
質疑応答は、こちらに掲載している。
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