アントニオ猪木氏、北朝鮮から帰国 「拉致担当大臣もおいでください」

北朝鮮を訪問していたアントニオ猪木参院議員が1月16日夜、羽田空港から帰国し、記者会見した。張成沢氏の処刑後、猪木氏が持つとされる北朝鮮とのパイプに変化があったのかが注目されていた。
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Taichiro Yoshino

北朝鮮を訪問していたアントニオ猪木参院議員が1月16日夜、日本に帰国し、羽田空港で記者会見した。猪木氏は、北朝鮮側の「朝日友好親善協会」から、日本の国会議員団の招請を正式に受けたことを明らかにした。猪木氏によると、朝鮮労働党の金永日書記(国際担当)から「拉致担当大臣もおいでください」との発言があったという。

このほか猪木氏は、2014年夏にも、北朝鮮で大規模なスポーツイベントを開催したい意向を示した。

猪木氏は2013年11月に訪朝し、金正恩第1書記の叔父で北朝鮮の事実上のナンバー2といわれた張成沢・前国防委員会副委員長らと会談、スポーツイベントの開催や日本の国会議員団の訪朝などで合意したと話していた。しかしその翌月に、猪木氏と深い親交があったとみられていた張氏が処刑されたため、猪木氏が持つとされる北朝鮮とのパイプに変化があったのかが注目されていた。

また、一部で報じられた東京都知事選への立候補の意欲について、猪木氏は「ありがたいですけど、国際関係やってますんで」と否定的な意向を示唆しつつも明言を避けた。

記者会見の内容は以下の通り。

――どなたにお会いになられたか

いつもお会いする金永日書記。あとは朝日(友好)親善協会のパク・クングァン会長。あと何人かにお会いしました。

――今回はどういったお話を

前回行ったときの確認というか、ひとつは議員団の訪朝、それともう一つは私が1995年に大会を開会した(「平和のための平壌国際体育・文化祝典」)、2日間で38万人という、それ以上の大会を開催しようということになって、それと日本スポーツ平和交流協会の今後の事務所のあり方と、この3点の確認でした。

――それぞれ時期や今後の方向性は

とりあえず早い時期ということで、できれば国会中じゃない方が、またまた騒ぎになるといかんので、大会は夏休みあたりですね。もう一つは議員団の訪朝、これは前回は口頭でしたから、皆さんもあまりそこは重く扱ってもらえなかった。対話なくして何か進展があるのか、私が言いつづけてきましたし、その環境作りというのを今までやってきましたし、今回、朝日親善協会が「とにかく、ぜひおいでください」と、この中にはうたっていないんですが「拉致担当大臣の方もよかったらおいでください」という言葉もありました。

――その言葉はどなたが

金英日書記です。

――張成沢氏の件についてはどの程度話題になりましたか

パク・クングァン会長からですね、とりあえず新聞に出てる感じの話だと思います。反党……なんですかね、もう一つは……

――今回新たに、国家体育指導委員長の後任という方には会われたのか

いや、まだそこまで決まっていないようです。秘書の娘さん、パク・ミンチョルさんという方が体育の方の担当になったという話は聞いておりましたけど、今後の指導の部分はいまんとこ、キム・ヨンジュさん。

――夏のイベントと訪朝議員団というのは同じ時期に

同じ時期じゃなくてもいいということです、いつでも。まあいろいろ、国会中とか難しいということで。本来、今回同行したいという人がずいぶんいました。実際に去年の張成沢さんの事件が起きて、ちょっと腰を引いたというのが現状だったんですが、今回の私の報道も含めて、そういう意志を持っている方がいますんで、まず呼びかけて、まあできれば自民党の方が行かれれば、政権政党ですから話はもっと進むんじゃないかな。前から言っているように、安倍総理が言っている「日朝問題は自分が任期中に解決する」、ただその中で、何も動いていないというのが現状だと思います。

――今回の話を、拉致担当大臣の方なり、安倍政権関係者に言うつもりはありますか

いろんな、間に入った方が、いろいろ事務所の方には言ってこられております。私から積極的に言っても構いません。

ひとつお願いがありますということがあって、人の行き来が途絶えておりますんで、私も(朝鮮)総連とはそんなに深いお付き合いがあるわけではありませんけど、幹部の人たちが全部渡航できない状況になっている。制裁とは別に人の交流を再開させてもらって。そうすればもっと確かな話が、私以上に皆さんの方に伝わると思います。

――金永日氏とは

とりあえず労働党の本部で1時間ぐらいですね。宴会になったときは非常に打ち解けた話になりますんでね。前回もそうだし、バッジをはめる前から言っていること、同じことを言っているつもりです。

――金正恩第1書記もこのことは知っていると思われましたか

そうです、全部上につながらないと返答ができないと思います。

――拉致問題自体に言及はあったということですか

皆さんに喋る問題よりも、今後の展開に支障がないような。非常に私も言葉を選んでますけども、批判じゃなくて、皆さんが動いてもらいたい。ただし、向こうの要人とお会いしてきましたんで、パイプというのが今本当に途切れて、ないと思います。これだけ皆さん国民が心配して、拉致の問題もしかり、何も動かない状況の中で、私なりの、バッジをはめて男一匹自分の仕事をさせてもらおう。今後どういう問題が起きるか知りません。こないだは懲罰でしたが、今回は処分かも知れません。それも結構。

――国会始まりますんで、次行くとすれば……

今回は手続きすればやりますと議運の皆さんも言ってくれましたね。そのルールは別にして、それもすべて受け入れましたんでね。

――夏のスポーツ交流には大いに……

これはちょっと、我々だけじゃなくてアメリカの団体もあります。ヨーロッパの格闘団体も含めてですね。皆さん、ま、前回か前々回ぐらいにその話をしたときに「いや、北朝鮮か」って言う人もいましたからね。今回はそういう意味ではそういう使命を感じてくれれば参加してくれると思います。

――金正恩第1書記のプレゼントは何を

いやいや、赤いタオル。

――(馬息嶺)スキー場も行かれたと

ああ、行ってきました。まあ施設は素晴らしいんです。真新しいのといろんな設備が、部屋も。スキー場も5000mが10本って言ってましたね。頂上から元山(ウォンサン、北朝鮮東部の都市)が見えて、天気が良ければ海が見える。その辺はある意味で国のアピールをしたいんだろうとも感じました。

本当に真っ青な空で、白銀の中でね。ただまだ雪がちょっとまだ足りなかったのかなという感じがしたけど。それにしてもすごいゲレンデで、10年かかるところを1年で仕上げましたというのが各案内人の話でしたから。そのくらい燃えてますよという、誰かがメッセージを送ってもらいたいんだと思います。

――日本維新の会の橋下徹・共同代表が「猪木さんの活動は問題が多い」と会見で話していた。これについてはどう思うか

いや、別にまったく。それ以上に、東京の維新の皆さんとも今回は打ち合わせをしていきましたんでね。ちゃんとした方が「このパイプを大事にしなきゃしょうがないな」ということは言ってくれました。

――平沼さん?

いえいえ、名前は出しません。もっとほかにもいるじゃないですか

――猪木さん、都知事選出馬への期待もありますが

いっぱい来てましたねえ、事務所に。ありがたいですけど、国際関係やってますんで。

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