インド北部のウッタルプラデシ州で、妊娠していた女性が夫から腹部を切りつけられた。
女性は妊娠しており、男はお腹の赤ちゃんの性別を知るために妻の腹を切りつけたという。
女性は重傷を負い集中治療室で治療を受けている。夫は逮捕された。
男の子を好むことがうんだ悲劇
ロイターによると、夫婦には5人の娘がおり夫は男の子を望んでいた。
女性の姉妹は、夫婦はこれまで男の子が生まれてこないことで口論をしてきたとBBCに話す。
事件が起きたのは9月19日の夜。女性の兄弟はロイターに「お腹の赤ちゃんの性別が知りたいんだと言って、お腹を鎌で切り裂いた」と話す。
女性は、ニューデリーの病院に運ばれた。一時は危険な状態だったものの容体は安定しているという。赤ちゃんは死産だった。
命の選別という性差別
インドでは、女の子より男の子が好まれることで、性別の不均衡が生じ社会問題になっている。
政府の調査によると、2015年〜17年のインドの性別の比率は男性1000人に対して女性896人で、14〜16年の898人から下がっていた。
男の子が好まれる理由として、男の子は将来家を経済的に支え、家の名前を継ぐ存在だと考えられているのに対して、女の子は結婚して家を出る上に、結婚時に持参金がかかることなどが挙げられている。
インドでは性別を理由とした中絶が禁止され、政府は違法な性別判定や中絶を取り締まっている。しかし違法な中絶や育児放棄はなくなっていない。
こういった性差別により、多くの女の子の命が奪われている。国連人口基金が6月に発表した調査では、インドでは過去50年で約4580万人が「消失」していた。