インド北西部アムリトサルにあるシク教総本山の「黄金寺院」(ハリマンディル・サーヒブ)は、毎日10万食の豆カレーを巡礼者や旅行者らに無料で与えている。500年以上伝わるという寺院のこの「無料食堂」に密着した65分のドキュメンタリー「聖者たちの食卓」(原題/Himself He Cooks)が、9月下旬から公開される。
黄金寺院は、宗教も人種も階級も職業も関係なく、誰もが公平に腹を満たすことができる「聖なる場所」だ。
食事を待つあふれんばかりの人々と、無償で働く300人が全て手仕事で手際よく調理したり後片付け作業をしたりする姿を描き出す。大きな鍋で作られる豆カレー、大量のチャパティ(薄焼きパン)、ひたすらニンニクの皮を剥き続けるターバンをかぶった男性…。異国の調理風景が、喧騒とともにスクリーンに映し出される。
作品は、ファストフードやコンビニ弁当といった「ひとりご飯」が当たり前となった日本の私たちに、「食」という人の営みの原点を思い出させてくれる。
監督は、自らも移動式キッチンのシェフとして腕をふるうベルギーのフィリップ・ウィチュスとヴァレリー・ベルトー夫妻。作品は、2012年の東京国際映画祭「ナチュラルTIFF」部門にてグランプリを受賞している。
2014年9月27日から東京の渋谷アップリンク、新宿K's cinemaほか全国で順次公開される。詳細は公式サイト、または公式Facebookで。
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー