LGBTをめぐる議論、自民・稲田朋美氏がTwitter初期アカで急きょ参戦

「私は多様性を認め、寛容な社会をつくることが『保守』の役割だと信じる」
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衆議院農林水産委員会に出席した稲田朋美元防衛相=5日、国会内 撮影日:2018年04月05日
時事通信社

自民・杉田水脈議員の「LGBTは生産性がない」発言が、Twitterで批判を浴びている。そんな中、自民党の稲田朋美議員が7月24日午後5時すぎになって、Twitterの初期アカウントを作成、「私は多様性を認め、寛容な社会をつくることが『保守』の役割だと信じる」とツイートした。

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Twitter/@iP3TqoHWEmoDFNf

稲田氏は「LGBTの方々が自分らしく、人として尊重され、活躍できる社会を実現するため」に、自身が自民党の政調会長だった2016年2月に特命委員会を立ち上げたと振り返った。そして「今、この委員会ではLGBTの理解増進のための議員立法の作業中だ」と現状を報告した。

稲田氏は保守的な論客として知られるが、LGBTの祭典「東京レインボープライド」のパレードに参加したり、性の多様性についての理解促進のための取り組みを進めていたりすることでも知られる。杉田氏の発言に直接言及してはいないが、タイミング・内容からして、それを意識した発信とみられる。

午後8時40分の時点で、このTwitterアカウント(@iP3TqoHWEmoDFNf)は、公式マーク(認証バッジ)や顔写真、プロフィールなども登録されていない。ただ、ハフポストが稲田氏の秘書に確認したところ、確かに本人が開設したもので間違いないという。

アカウントを開設した経緯について、秘書は次のように説明した。

「稲田は最近では保守の集会でも多様性の大切さを語っています。最近、東京で500人以上を集めた政治パーティを開きましたが、そこでも1番重要な話として最後にLGBTへの取り組みに触れていました。今回はツィッターを始めた記念すべき最初の投稿にLGBTへの取り組みを選び、自身や自民党の立場を明確にしたかったのだと思います」

初期アカウントで始めた理由については、Twitterは初心者だが、とにかく始めてみることにしたと説明した。

▪️杉田水脈氏の寄稿文が物議醸す

杉田氏の発言については、当事者団体からの批判が相次いでいる。7月27日には、自民党本部前で杉田議員の辞職を求める抗議活動が行われる。東京レインボープライドも参加する予定だという。

あらためて、その発言を振り返ろう。

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時事通信社

杉田氏(比例・中国ブロック)が7月18日発売の「新潮45」2018年8月号に寄稿した文章「『LGBT』支援の度が過ぎる」への批判が広がっている。

寄稿文で「LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか」として、LGBTへの差別を解消する動きについて疑問を呈した。

また、「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」「なぜ男と女、二つの性だけではいけないのでしょう」などと持論を展開した。

▪️相次ぐ批判

LGBT関連の法整備を求める団体でつくる「LGBT法連合会」は、7月23日、抗議声明を発表。

日本のLGBT当事者が、 学校や職場、医療面や地域など様々な場面で差別を受けていることは、同会の調査や内閣府の世論調査でも明らかだと指摘した。

「生産性」を引き合いに出す主張については、人権の観点などから「問題」だと非難。そして、現実に存在する「性の多様性」を無視し、与野党、並びに行政や各種団体が進めている施策の実施に反するもので、「国会議員としての氏の資質に疑問を抱かざるを得ない」と批判した。

また、自民党が2016年にまとめた「性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会を目指すためのわが党の基本的な考え方」でも、党の取り組みとして「当事者の方が抱える困難の解消をまず目指すべきである」としていると指摘した。

▪️杉田氏はツイートを削除

杉田氏はさらに、「自民党に入って良かったなぁと思うこと。『ネットで叩かれてるけど、大丈夫?』とか『間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ』とか『杉田さんはそのままでいいからね』とか、大臣クラスの方を始め、先輩方が声をかけてくださること」とも投稿した。

しかし、杉田氏は7月23日、一転してこれらのツイートを削除。「殺人予告」が届いたため、「一連のLGBTに関連する投稿は全て削除いたしました」と説明している。