神経膠芽腫のハイスループットな標的探索スクリーニングのほとんどは、生理学的意味が明確でないin vitroモデルに限られていた。
今回J Richたちは、転写調節因子に対して2種類のRNA干渉スクリーニングを平行して行い、細胞株でのin vitroスクリーニングと、腫瘍微小環境を再現したin vivoスクリーニングを比較した。
その結果、いくつかの転写伸長因子が、in vivoでの神経膠芽腫細胞の生存に特異的に必要であり、特に、転写停止解除因子JMJD6はグリオーマで高発現していることが見いだされた。
このような種類のin vivoでの機能的スクリーニングによって、これまでin vitroの手法では見つからなかった、がんの新規治療標的を発見できる可能性がある。
Nature547, 7663
2017年7月20日
doi: 10.1038/nature23000
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