「人は誰でも、その人らしい美しさを持っているもの。それが、伝統的な美しさでも、大きくても小さくても、パワフルでも細くても、肌が白くても黒くてもね」
イルカ・ブリュールのこの言葉は、多くの人を勇気づけている。そしてそれは、彼女の生い立ちをも象徴する言葉でもある。
そう、イルカの顔は伝統的な「美しさ」とは離れているかもしれない。彼女の母親が、妊娠中にウイルス感染したことによって、彼女の顔の形成は大きな影響を受けたためだ。
長い間、彼女は自分の「見た目」のせいで友達を作ることができなかった。しかし、25歳になったいま、彼女はモデルになったことによって人の美しさの可能性を探り続けている。
10回の手術
イルカは誕生後、気道に問題があり、うまく呼吸ができなかった。幼い頃から彼女は、何度も何度も手術を余儀なくされた。
中傷コメントに対して、彼女が載せた幼いころの写真。
「人は誰でも、その人らしい美しさを持っているもの。それが、伝統的な美しさでも、大きくても小さくても、パワフルでも細くても、肌が白くても黒くても気にしないで。中には意地悪な人もいるけれど、それはまた別の話。ここ数日で中傷コメントをたくさん目にしたけれど、私は別に傷ついたりしていない。でもそうじゃない人もたくさんいるはず。だから私は心から怒っているの。人は誰でも美しい。何度でも繰り返すつもりよ。私がこの「欠陥」を持って生まれてきたときの写真を載せることにしたのはそれを示すため。どうしてそんな風なの?って聞かれることも多いし、私だって最初はためらっていた。でも、私みたいに考える人が増えるまではやめない。私は顔に裂け目を持って生まれた。それは私のママが、妊娠中にウイルスに感染しちゃって、私の顔の形成に影響したから。1000人に1人の割合だから、そんなに珍しいことでもないの。私の鼻にチューブがつながっているのは、私の気道が肥大化してしまっていたから。うまく呼吸ができるようになるまで、生後数カ月間はずっと病院にいた。そして10回の手術を経ていまの見た目になったの。だけど別にそれを誇らしいとは思っていないわ。私が覚えているのは最後の3回だけだしね。それよりも、ずっと支え続けてくれた私の家族を心から誇らしく思う」
幼い頃は、イルカも彼女の家族も、辛く大変な時期を過ごした。
彼女が現在の見た目になったのは、10回にも及ぶ手術を経たからだ。Instagramで告白した通り、彼女は何年も自分の見た目によって内気でいたし、他の人に近づくこともできないほどだった。
しかし、彼女は写真というツールに目覚めた。最初は自分自身で撮っていたが、ついにモデルとしてカメラの前に立つことにしたのだ。
「カメラの前に立つと、はっきり感じる。すべての欠陥や違いはその人の一部であって、それもそれで、あるべき姿に変わりない。その中でベストを尽くしていくべきよ」と、彼女はInstagramに綴った。
すべての人は美しい
彼女は、国際的なカメラマンとも仕事をするようになった。
写真を投稿しているInstagramでは、現在8000人ものフォロワーがいる。
彼女は写真とともに、「個性」と「寛容」の重要性を伝えている。
「私は何度でも伝え続けるわ。すべての人は美しい!」
※ハフポスト・ドイツ版より翻訳・加筆しました。