朝日新聞、慰安婦問題扱った池上彰さんのコラム掲載「過ちを訂正するなら、謝罪もするべきではないか」

朝日新聞が池上彰さんの慰安婦報道問題をめぐるコラムの掲載を見送り、池上さんが連載中止を申し入れていた問題で、9月4日、朝日新聞は当初の方針を変え、朝刊に掲載した。
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朝日新聞社

朝日新聞が池上彰さんの慰安婦報道問題をめぐるコラムの掲載を見送り、池上さんが連載中止を申し入れていた問題で、9月4日、朝日新聞は当初の方針を変え、朝刊に掲載した。

「過ちを訂正するなら、謝罪もするべきではないか」とする池上さんのコラムでは、誤報そのものではなく、誤報を改める朝日新聞社の姿勢を批判している。主な論点は2つ。

ひとつは、吉田清治氏の「済州島で200人の若い朝鮮人女性を連行した」とする証言を基にした、1982年9月2日の朝日新聞大阪本社版朝刊記事について、1992年に産経新聞によって疑問を呈する声があったのにもかかわらず、未だに詳しい検証がなされていないこと。

もう1つは、軍需工場などで女性を労働力として動員する「女子挺身隊」を「慰安婦」と混同していたことに、朝日新聞が1993年の時点で認識していながら、訂正を出さず、検証も行われていないこと。

この2つを指摘した上で、池上さんは、「今回の検証は、自社の報道の過ちを認め、読者に報告しているのに、謝罪の言葉がありません。せっかく勇気を奮って訂正したのでしょうに、お詫びがなければ、試みは台無しです」とし、コラムを結んでいる。

コラム末尾には、朝日新聞と池上さんのコメントが添えられている。

■池上さんと読者の皆様へ

 今回のコラムは当初、朝日新聞社として掲載を見合わせましたが、その後の社内での検討や池上さんとのやり取りの結果、掲載することが適切だと判断しました。池上さんや読者の皆様にご迷惑をおかけしたことをおわびします。

■池上さんのコメント

 私はいま、「過ちては改むるに憚(はばか)ることなかれ」という言葉を思い出しています。今回の掲載見合わせについて、朝日新聞が判断の誤りを認め、改めて掲載したいとの申し入れを受けました。過ちを認め、謝罪する。このコラムで私が主張したことを、今回に関しては朝日新聞が実行されたと考え、掲載を認めることにしました。

(朝日新聞デジタル「(池上彰の新聞ななめ読み)慰安婦報道検証」より 2014/09/04)

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