今年5月4日(木)に東京で開催されたイベント「アイドル×LGBT=?」(主催:アイドルとセクシュアリティ研究会(仮)Twitter @idol_sexuality )
TOKYO RAINBOW PRIDEの RAINBOW WEEKの一環として開催された。
「あなたにとってアイドルとは?」といった問いから、 さまざまなテーマ―例えば推し遍歴、LGBT支援、二次創作とセクシュアリティ等の視点から、メジャー/ローカル/アニメなどジャンルを問わずアイドルについて共に語らう場として開催され、日本各地から集まった参加者はアイドルやセクシュアリティ、LGBTに関心のある人など30人以上。
参加者各自が「アイドル×LGBT」に関する意見を発表し合い、〈アイドル〉と〈LGBT〉の親和性について、考えながら交流を深めるとても良い場となった。
5月4日のイベント開催に先立って公開された主催者インタビューはこちら
TOKYO RAINBOW PRIDEに参加するために上京していた私もイベントへ参加し、3分間の発表を行わせていただいた。
発表のタイトルは「ファン人気曲の歌詞から見る男女アイドルの対ファン意識」。
女性アイドルとしてAKB48のリクエストアワー、男性アイドルとして嵐のアラフェスを例にし、ファン投票で人気の曲の歌詞を比較して、男女それぞれのアイドルとファンの関係性を考察した。
イベント参加者の興味や関心のある分野はとても広かった。
AKB48やその姉妹グループ(SKE48やNMB48など)のいわゆる48系のファンもいれば、モーニング娘。をはじめとするハロ-!プロジェクトのファン、LIVEやイベントを中心に活動いわゆる地下アイドルのファン、ミュージカル『テニスの王子様』(通称:テニミュ)に代表される2.5次元舞台・俳優のファン、THE IDOLM@STERなど2次元のアイドルのファン、嵐やKinKi Kidsなどジャニーズアイドルのファンなど、実に多様な"アイドル"のファンが集まった。
そして、当イベントは参加者のセクシュアリティを全く制限しておらず、参加者のセクシュアリティも年齢も興味のある分野も異なっていた。
全てがバラバラな人たちが「アイドル×LGBT」というワードで集まり、互いの意見の違いを認め合った上で交流をしていた。
まさに"多様性の極み"といった空間だと感じた。
そもそも、私は"アイドル"はとても"多様性"が重んじられている存在なのでないかと思っている。
一口に"アイドル"と言っても実際に"アイドル"と名乗る人たちの実態は多様だ。
10代の若い人もたくさんいるし、40代以降になっても"アイドル"として活動を行う人もいる。年齢はとても幅広い。
"アイドル"の特徴として、"アイドル"本人のキャラクターや個性を強く打ち出すことがある。趣味や特技、キャッチフレーズなど『周りとは違う』ことに大きな価値が与えられる環境であると思う。そういった環境を満たす空気こそが"多様性"を重んじられる環境へと繋がっているのではないだろうか。
また、"アイドル"について語るとき、どうしても"異性愛"や"男女二項対立"という見られ方が多くある。
一方で"アイドル"ほど、男装・女装といった文化や男性同士の恋愛を指す"BL"や女性同士の恋愛を指す"百合"を多用し、性の分け目を曖昧にしている環境も珍しいのではないかと思う。
もちろん、恋愛禁止などのルールも含めて、"異性愛"や"シスジェンダー"が根底にあるからこそ成り立っている、といった指摘があることも分かっている。
しかし、"アイドル"文化が"多様性"を重んじる空気を作り出しているという見方もできるのではないだろうかと思う。
近年では、男装した状態で活動を行う男装アイドルグループが多数存在しているほか、女性アイドルが恒例行事として女性同士のレズビアンカップルを演じる企画があったり、男装する企画が定番と化したりしている。男性アイドルでも、男性同士のゲイカップルを彷彿させる表現や演出をあえて行うことはとても多くある。
また、SECRET GUYZや名古屋で活動している NSM=(NAGOYA SEXUAL MINORITY EQUAL)などLGBTアイドルと呼ばれる人たちも増えてきている。
NSM=のメンバー
とても居心地が良い空間だった。
これが、私がイベントに参加して一番強く抱いた感想だ。
"アイドル"を応援する方法も多様だし、応援したいという気持ちの形も実に多様だ。
新しいアイドルやファンの形にも出会えたし、何より、"多様"な考え方や生き方を認め合える場というのは素敵だと心から思った。
参加者の一人がのちに、イベントの感想として「安心感があった」という言い方をしていて、とても納得が出来た。
誰にも自分の考え方や生き方を否定されることもなく、攻撃されることもなく、いられる空間。
これこそがまさに"多様性"が重んじられる空間だと思う。
そしてイベントを通して私は、『"アイドル"はとても"多様性"が重んじられている存在なのでないか』とより強く感じたのと同時に、『そのアイドルを応援しているファン(いわゆる"アイドルオタク")も"多様性"が認められているのではないか』と思うようになった。
ということで、9月16日(土)〜24日(日)のNAGOYA レインボーウィークに合わせて、名古屋でも開催する。
昨年の虹色どまんなかパレードの様子
「NAGOYAレインボーウィーク」は、9月16日(土)に名古屋・栄で行われるLGBTパレード「虹色どまんなかパレード」を皮切りに開催されるLGBTの理解を広げる週間だ。
「虹色どまんなかパレード」及び「NAGOYAレインボーウィーク」についてはこちらのサイトをご覧ください→ http://nijipare.com/
また、昨年度の「虹色どまんなかパレード」及び「NAGOYAレインボーウィーク」の様子についてはこちらをご覧ください→ 地方都市を虹色に!NAGOYAレインボーウィーク
今回の開催地である名古屋は、前回も話題に上がったNSM=の本拠地でもある。
そして今回はゲストスピーカーとしてNSM=のメンバーをお呼びしている。グループの結成から"アイドル"という形態をとった理由、これまでの活動や今後の目標など、主催者である私りぃなとレロの二人とトークしながら紐解いていきたい。
[日時]2017年9月17日(日) 13:30〜16:30(開場 13:00)
[場所]矢田コミュニティセンター 2階大会議室(ナゴヤドーム前矢田駅から徒歩5分)
[主催]アイドルとセクシュアリティ研究会(仮)Twitter @idol_sexuality
[企画概要]今年の5月4日(木・祝)に、Tokyo Rainbow Prideのレインボーウィークの一環として東京で行った、「アイドル×LGBT=?」イベントの、名古屋出張版です!
〈アイドル〉と〈LGBT〉の関係性や親和性について、参加者のみなさんの発表やゲストのトークを通して、楽しく考えるパーティーです。
あなたにとってアイドルとはなんですか? さまざまなテーマ―例えば推し遍歴、LGBT支援、二次創作とセクシュアリティ等の視点から、アイドルについて共に語らいましょう!
メジャーアイドル/ローカルアイドル、女性アイドル/男性アイドル、二次元アイドル/三次元アイドル、すべてのアイドルが対象です。
セクシュアリティによる参加制限もありません。どなたでもどうぞ!
[ゲスト]LGBTアイドルグループ NSM=(NAGOYA SEXUAL MINORITY EQUAL) より、樹梨杏さん(リーダー)・いづみさん
(メンバーは現時点での予定です。追加や変更がある場合があります)
[参加費]500円(当日会場受付にて現金支払)
[参加方法]イベント前日までに以下のサイトで参加登録お願いいたします
当イベントは、9月16日(土)〜24日(日)にLGBTの理解を広げる週間「NAGOYAレインボーウィーク」の一環として開催されます。 詳しくはこちら