シアトル・マリナーズのイチロー外野手が結んだ契約が「ユニーク」と評されている。球団の会長付特別補佐に就任。今シーズンは選手としてプレーをしないが、練習は続け、チームにも同行してサポートに回る。来シーズン以降に「選手」復帰の可能性も残している「メジャーでも極めて異例の契約内容」(共同通信)だ。
イチローは、マリナーズ時代の2004年にシーズン最多安打記録を更新するなど、チームの象徴として活躍した。
5月3日(現地時間)に開かれた記者会見でもイチローは「とにかくハッピー。毎日(本拠地の)セーフコフィールドに来る。家からの道のり、帰り道、ユニホームを着ている時間。毎日、かみしめていた」と語っていた。
イチローにとっても、球団にとってもお互いが特別な存在。ユニークな契約を結んだ背景には双方の敬意がある。
イチローは今後について会見のなかで「野球の研究者でいたい」と話した。「44歳でアスリートとして、この先どうなっていくのか。プレーしなくても毎日鍛錬していくとどうなっていくのか見てみたい」という。練習も継続でき、「鍛錬」の先に選手として復帰する道も残した。
「喪失感みたいなものはまったくありません」と強調したのも、いろいろな可能性を残しているからだろう。球団側も「どんな形でもマリナーズに残ってほしいと思っていた」と明言する。
「相思相愛」の契約でイチローは新しい道を切り開く。