「一蘭」を書類送検へ  人気ラーメン店で外国人留学生らを違法に働かせた疑い

どういう場合が「不法就労」になるの?
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福岡市内の「一蘭」の店舗
Bloomberg via Getty Images

全国で豚骨ラーメン店を展開する「一蘭」(福岡市博多区)を、大阪の店舗で外国人留学生らを違法に働かせた入管難民法違反(不法就労助長)などの疑いで、大阪府警が週内にも書類送検する方針を固めた。共同通信が3月4日に報じた。

留学生の間で「一蘭は給料が高い」と評判で、2店では多くの外国人が働いていたという。

毎日新聞によると、本社で労務管理を担当する社員らが昨年、大阪市中央区の店舗で、ベトナム人留学生らを法定上限(週28時間)を超えて働かせた疑いがあると、捜査関係者はみている。

■大阪でベトナム人女性が逮捕されていた

朝日新聞デジタルによると、大阪府警は2017年11月、「一蘭」で不法に働いたとして、出入国管理法違反の疑いで29歳のベトナム人女性を逮捕。大阪市中央区の店舗や本社を家宅捜索していた。

公式サイトによると、一蘭は国内外に74店舗を展開していて、2017年12月時点で、社員が234人、アルバイトが5786人いた。

■外国人は働けないの?

東京労働局によると、外国人は「在留資格の範囲内」でなら働ける。

留学生も、資格外活動許可を受ければ、アルバイトができる。資格外活動許可を受けているかどうかは、パスポートか「資格外活動許可書」で確認できる

一般的に、留学生には、アルバイト先が風俗関係ではないことを条件に、1週28時間以内を限度として勤務先や時間帯を特定することなく、包括的な資格外活動許可が与えられる。

(学校が長期休みの間は、1日8時間以内)。

資格外活動の許可を受けずにアルバイトに従事した場合は、不法就労となる。

■雇った側の責任は?

入管法は「不法就労助長罪」として、次の3つの行為を処罰している。

(1) 事業活動に関し、外国人を雇用するなどして不法就労活動をさせる行為

(2) 外国人に不法就労活動をさせるために、自己の支配下に置く行為

(3) 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為、または(2)をあっ旋する行為

違反した場合は、3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金、またはその両方となる。