「私は日本人、撃たないで」逆効果か【バングラデシュ人質事件】

バングラデシュの首都ダッカで7月1日、武装集団がレストランを襲撃した人質テロ事件で、銃声の中で「私は日本人だ、撃たないで」 という声が聞こえたと、複数の新聞社が報じた。
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DHAKA, BANGLADESH - JULY 02 : Bangladeshi police stand guard outside the Holey Artisan Bakery cafe, currently under a hostage siege by armed gunmen in Dhaka, Bangladesh on July 02, 2016. Multiple foreigners are being held hostage by eight or nine gunmen at O'kitchen restaurant, in the same building as the the Holey Artisan Bakery cafe - a location popular with expatriates and diplomats. A gun battle between the attackers and police wounded three people, including two officers. Police and security forces have sealed off the area in the city's Gulshan district and are trying to negotiate a hostage release. (Photo by zakir hossain chowdhury/Anadolu Agency/Getty Images)
Anadolu Agency via Getty Images

バングラデシュの首都ダッカで7月1日、武装集団がレストランを襲撃した人質テロ事件で、銃声の中で「私は日本人だ、撃たないで」 という声が聞こえたと、複数の新聞社が報じた。この事件では「日本人7人が死亡した」と菅義偉官房長官が発表している

朝日新聞デジタルは、レストランの隣に住む韓国系アメリカ人(61)の話として、テロリストの男たちが襲撃したときの模様を以下のように伝えた。

1人が門から店の敷地に入ると、すぐ近くにいた日本人男性が「私は日本人だ!」と英語で3回叫び、「どうか、撃たないでくれ」と懇願していた。男たちは屋外席にいた客らに発砲すると、店内に入った。

産経ニュースも近隣に住むレストラン経営の女性(49)の話として、銃声の中で懇願するような男性の声が聞こえてきたと報じた。

周囲は暗く、詳しい様子は分からなかったが、銃声の中で懇願するような男性の声が聞こえてきた。

「アイム・ジャパニーズ、ドント・シュート(私は日本人です、撃たないで)」。女性は産経新聞の取材に、「まるで戦争のようだった」と話した。

このとき叫んでいたのは、40歳代ぐらいの男性で「テロリストの男たちに店内に連れ込まれるのを見た」という報道も出ている。男性の安否は不明だ。

■「イスラム国」を名乗る組織が犯行声明

過激派組織「イスラム国」(IS)のバングラデシュ支部を名乗り、「22人を殺害した」とする犯行声明が日本時間3日未明、インターネット上に出た。

NHKニュースによると、この声明は「イタリア人を含む『十字軍の国』の人々を殺害した。イスラム教徒の殺害を続けるかぎり、十字軍の国の人々に安全は確保されないと知らしめるためだ」などと主張しているという。日本人に関する言及はなかった。

■元外交官「日本人なら無害は過去の話」

バングラデシュは、親日国として知られてきた中での衝撃の事件。元外交官の孫崎享(まごさき・うける)さんは、報道されている男性の言動について、「残念ながら日本人なら無害は過去の話」と言及。日本人であることをアピールしても、イスラム過激派のテロを避けるのは難しいと指摘した。

ISが後藤健二さんの殺害時に、安倍首相に対して「おまえの国民を場所を問わずに殺りくするだろう」というメッセージを出したことを例に挙げて、次のようにTwitterに投稿した。

このほか、ジャーナリストの江川紹子さんも「逆効果にさえなるのかも」と指摘している。

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