ムコ多糖症2型 耀の「とにかく一生懸命」

わが家にとって耀が『ムコ多糖症2型ハンター症候群』と診断されたことは、わが子の命のために前に進んでいく、そして、わが子のためだけではない命の闘いの始まりでした。

【わが家のこれまで】

耀は生まれた時から身体が硬く、母親の私は何かおかしいと思っていました。

しかし、生まれた病院で看護師さんに聞いても、かかりつけのお医者さんに相談しても、定期健診で確認しても、返ってくる答えは「正常の範囲」。

生後5カ月から預けた保育所の先生たちや親族から毎日のように報告される身体の硬さやいつまでもお尻を突き出して歩く姿、ゼーゼーする息遣いなどの「異常」。

「正常」と「異常」に挟まれて、異常に気付いている母としてわが子のために何もしてあげられないただ苦しいだけの2年間を過ごしました。

耀が2歳の時に、保育所の先生たちの機転によってようやく診断に結びつきました。

わが家にとって耀が『ムコ多糖症2型ハンター症候群』と診断されたことは、絶望ではなく、わが子の命のために前に進んでいく、そして、わが子のためだけではない命の闘いの始まりでした。

希少ゆえになかなか見つけていただけない難病ムコ多糖症を新生児マススクリーニングに入れて頂きたい、もう私のように苦しむママが居なくなってほしい。

先天性の疾患を抱えても、一生懸命生きています。

耀は毎週治療薬エラプレースによる酵素補充療法を受けて、高校3年生まで成長できています。大学への進学を希望しています。

治療薬があるからと、一生 医療費の支払いを課さないで頂きたい、だってムコ多糖症の患者はこのお薬があるから生きていられるのです。

違いを理解してみんなと一緒に大人になりたい、なってほしいと願っています。

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こんにちは。

大阪の中井ファミリーです。

受験生の耀は夏休みに入っても、毎日お弁当を持って朝から晩まで塾で勉強をしています。

毎週の治療薬酵素補充療法は、朝から塾で勉強して、途中抜けて病院で投与を受けて、終わったらまた塾へ戻って晩まで過ごします。

先日、日本脳炎の定期接種のお知らせが届きました。

耀は今から12年前、5歳から6歳にかけて、アメリカでのムコ多糖症2型新薬の治験参加中に、地元の小学校の入学条件で当時は日本で始まっていなかった不活化ポリオワクチンやおたふく風邪、A型肝炎まで接種しました。

ですから、ジフテリアの追加接種で終わったと思っていたのですが、内容を読むと日本脳炎の予防接種に積極的推奨が差し控えられていた時期があったそうです。

耀はその時期、日本に居ませんでしたし、さすがにアメリカで日本脳炎の予防接種はしてもらえないですよね。

すぐにわが家のかかりつけのドクターのところへ受けに行きました。

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抜けていた3回目を受けて、最後の4回目は一週間後以降とのこと。

忘れないように母子手帳の表紙にポストイットを貼ってくださいました。

一週間後は夏風邪をひいてしまったりしんどかったりで、間が空いてしまいましたが、先日無事に4回目を接種しました。

以前に参加した医療者を対象とした講演で、まだ日本脳炎の予防接種がなかった頃、夏休み明けに学校へ行くと「日本脳炎」が原因で登校できなくなった子どもたちが当たり前のように存在したとのお話を聴きました。

今では考えられないことです。

予防接種のおかげで、耀は日本脳炎にかからずに済んでいます。

子どもたちの命と健康、守りたいですね。

さて、高校3年生の耀は18日(木)から学校が始まります。

予防出来る疾患は予防して、ムコ多糖症は現存する治療法 酵素補充療法を毎週続けて、理学療法も受けて、検査も受けて、あちらこちらに行かねばならず、体もしんどくて本当に大変ですが、受験に向けてとにかく一生懸命ベストを尽くすのみです。

(2016年8月14日「ムコネットTwinkle Days 命耀ける毎日」より転載)