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大手、ベンチャー双方で広がる「副業OK」。“専業禁止”をうたう企業も

求められるスタンスとは?
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Getty Images

働き方改革においても関心が高まる「副業」。副収入が得られることに加え、スキル・経験の幅を広げられるメリットも。一体どういった企業が副業OKにしているのか? その背景とは? 副業OKの求人情報とともに見ていこう。

「副業OK」の流れがベンチャーで進む

ここ最近では、複数の仕事を本業として捉えていく「複業」や、仕事以外にも活動の場を持つ「パラレルキャリア」への関心が高まっている。

とくにベンチャー、Web・IT企業において副業OK・推奨をするケースが増えてきた。たとえば、フリマアプリで知られる『メルカリ』や、「社内のコミュニケーション活性化」をテーマにソフトウェアを提供する『サイボウズ』は、副業を推奨する企業として知られる。

とてもユニークなケースとしては、副業禁止ならぬ「専業禁止」を謳う企業も。オンラインショッピング事業を手がけるエンファクトリーでは「社員の半数以上が、別の働き口を持っている」(*1)というから驚きだ。

特にベンチャーでは「優秀な人材を確保する」「多様な価値観、柔軟なワークスタイルを取り入れる」ことで、組織力をあげていきたいという狙いが見て取れる。

ソフトバンク、ディー・エヌ・エー、ユニ・チャーム...大手でも進む、副業解禁

また、大手企業でも制度を見直し、副業を認める企業が出始めている。

その一例が、2017年11月に副業を解禁したソフトバンクだ。本業に影響のない範囲で、社員のスキルアップ・成長につながる副業を認めたことで話題となった。

その他にも、ディー・エヌ・エー、ユニ・チャーム、コニカミノルタといった企業も次々と副業を解禁している。

また国の動きにも変化がみられる。2018年1月には、厚生労働省が副業・兼業の普及促進を目的に、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表。

ここには「働き方改革」の文脈だけでなく、社員の副業・兼業を通じた「創業・新事業の創出」。また「中小企業の人手不足に対する解決策」としての期待も込められているようだ。(*2)

社員の副業は、企業にとってもメリットがある?

社員の副業をOKとしていく。企業側のメリットとして考えられるのは、

・採用活動においてアドバンテージとなる

・柔軟な働き方をしたい優秀な社員の活躍・定着を図る

・他社で得たノウハウや知識を自社に活かしてもらう

といった点だ。

他社と比べたとき「柔軟な働き方ができる」というのは採用上のアドバンテージになるはずだ。

また、優秀な人材であればあるほど「新しい仕事に挑戦したい」「さまざまなシーンで自分の能力を活かしたい」というケースも。企業としては、さらなる活躍のフィールドが自社になかった場合でも、副業を通して成長の機会を社員に提供することができる。さらに他社で得たスキル・ノウハウを自社で活かしてもらえたら、ウィンウィンの関係となる。

もちろん企業としてメリットばかりではない。たとえば、労務上における管理をどのように行なうのか。また自社の仕事に深くコミットしてもらうためにどうするか。仮に、自社の仕事に関わる時間が減少した場合、期待するパフォーマンスを発揮してもらえるか。マネジメント観点からいえば課題もある。

企業側が副業をなぜ推奨するのか。どういった狙いがあり、何を期待されているのか。その内情は企業によってさまざま。ここは転職する側としても、面接などを通じて知っておいたほうがいいポイントだ。

副業をどのように捉えるか?問われる能力と考え方

いかにキャリアの可能性を広げていくか。スキルを磨いていくか。終身雇用が過去のものとなった今、特にこれからの時代を生きる若手にとって大きな関心となっている。

現在働く会社でのみ通用するスキルではなく、時代の変化に対応していく。さまざまな場所で働き、能力を高める。これも選択肢のひとつだ。

ただ、無闇に「複数のわらじ」を履くことがいいかどうか、自身のスキル・キャリアに照らし合わせ、慎重に考えていく必要もある。

たとえば、現職で全く結果を出せていないなか、副業をした時、果たして活躍ができるだろうか。どちらも中途半端になってしまうリスクもある。

まずは目の前の仕事において、周囲から信頼を得られるだけの結果を残す。そしてさらなる成長を求めていく。副業OKを推奨する会社に共通しているのも、プロセスや労働時間ではなく、成果・パフォーマンスを重視するというもの。一流の人材を目指すスタンスが求められるといえそうだ。

(*1)大企業こそ副業を推奨せよ!?「専業禁止」を掲げるエンファクトリーの成果。│CAREER HACK

(*2)副業・兼業について│厚生労働省

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