オーストラリア・クイーンズランド州で、イルカのように海面を上下に泳ぐイリエワニの姿が撮影された。
とても珍しい映像を撮影したのは、同州で漁業を営むアレック・ダンさんだ。
ダンさんは9月7日、ブルームフィールド川でカニ捕獲用のかごを確認していた際に、体長約4.5メートルのワニが水中を滑らかに泳ぎながら、彼の船の横を競うように泳いでいるのを目にした。
映像にうつるワニは、鼻から水を出しているようにも見える。
このワニは「トミー」と呼ばれている。トミーは、ダンさんの小さな漁船に隠れていたという。
「ワニは唸り声をあげ、こちらを睨みました。私はわずか3.5メートルの小さなボートに乗っていて、ワニは私のすぐ横を泳いでいました。とても興味深い体験でしたよ」
「ワニは、私をサイズを見極めているようでした。船が襲われると思いましたが、幸運にも襲いかかってきませんでした」と、ダンさんはケアンズポストに語る。
8日にFacebookに投稿された動画は、2万4000回以上再生されており、「これってジョーク……?いつからワニがイルカのように泳ぐようになったの?それにいつから牛より大きくなった?」「見た目の変わったイルカがいるのでは」と動画の真偽に疑問を呈するコメントもある。
デインツリー川で観光ガイドをしているデイヴィッド・ホワイトさんは、トミーが「ホルモンの影響と、怒りを感じていたのかもしれない」とハフポストオーストラリア版に説明する。
「ワニが早く泳いでいるのを見たことはありますが、このように水面を頭を出したり下げたりしているのは見たことがありません。普段とは違う泳ぎです」
「ワニは大抵、寝そべって何もしませんが、他の雄のワニが周りにいる時……そしてホルモンレベルが高い時は怒り、闘います」
オーストラリアのイリエワニは最速時速29キロで泳げるものの、ダンさんが撮影した映像のように早く泳ぐのは珍しいとホワイトさんは話す。
「ワニは一般的には、20~30メートル泳いだら疲れてしまいます。彼らは疲れやすく、大きな攻撃に備えてエネルギーを蓄えます。ですから、普通はこれほど早いスピードで長く泳げません」
「この泳ぎだとトミーは大きなエネルギーを消費していると思います。確かにイルカのように見えますね。大量のテストステロンが分泌されていると思います」
またこの映像が偽物ではという声について、この映像を作るにはハリウッドの映像エディターくらいの技量が必要だとホワイトさんは笑って話す。
イリエワニが全力を出すとどんな泳ぎを見せるのか、ワニガイドが投稿している映像を見てみよう。
ハフポストオーストラリア版の記事を翻訳しました。