「日本はもっと“負ける美学”を見直すべき」 『ハゲタカ』作者の真山仁さんに聞く、日本経済のゆくえ(動画)

「ハフトーク」第7回。テーマは「理想の資本主義」入門
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ハフトーク第7回
Jun Tusboike

ハフポスト日本版がお送りするネット番組「ハフトーク」。

10月18日(木)の放送では、経済小説「ハゲタカ」シリーズの作者・真山仁さんをゲストに迎え、注目のニュースと「おとなの再入門」をお届けしました。

ニュースコーナーでは、ブラジル大統領選における極右派・ボルソナーロ氏の躍進、そこから見える世界の右傾化について議論。また、サウジアラビアに批判的だった同国籍のジャーナリストが失踪しているニュースを取り上げました。

真山さんは「ジャーナリストを殺せばプーチンみたいだ、極右のリーダーが出てくるとトランプみたいだ、と構造を単純化してはいけない」と指摘し、サウジジャーナリストの件については、「日本は(石油)エネルギーの問題など、このニュースの裏にある現実的な経済問題にもっと注目すべき」と語りました。

後半の「おとなの再入門」コーナーでは、大震災後の電力会社買収をテーマにした「ハゲタカ」シリーズ最新作「シンドローム」を紹介しながら、ハゲタカという物語を通して見える日本社会の課題や今後についてトークしました。

「日本は今後、もっとヨーロッパ的な価値観にならって、ブランディングを変えていくときに来ているのでは?」という真山さんの言葉の意味はーー

番組の見どころ

主人公・鷲津率いる外資系投資ファンドが、名門企業を次々と買収していく様子を描く「ハゲタカ」シリーズ。義理や情緒のない、ロジック一辺倒のダークヒーロー・鷲津を通して、真山さんは日本経済や企業の課題を描き出します。

「今、日本では『天才』や『カリスマ』の"インフレ"が起きている。 でも実際は稀有の存在を褒めているのでなく『俺と同じだ!』という感覚を褒めているだけなんです。みんな、見たいものだけ見ている」と真山さんは指摘します。

トークの中では「ハゲタカ」の次の舞台がフランスであることも明かされました。その意図について真山さんは、「日本は元々、"負ける美学"や"譲る美学"がある国なのだから、今こそ勝ち負けにこだわるのをやめて、ヨーロッパ的価値観に学ぶ部分があるのではないか」と語ります。

番組で取り上げたニュース

かいつまんで見たい...!

★今週のニュース

★「おとなの再入門」

出演者

  • 真山仁...作家。新聞記者、フリーライターを経て、2004年「ハゲタカ」でデビュー。

  • 石戸諭...ノンフィクションライター。ハフポスト日本版でも記事執筆を手がける。

ハフトークとは?

〜大人のニュース学び直し。これを知ってから、平成を"越そう"〜

東京オリンピック・パラリンピックを控え、平成がまもなく終わろうとしている。政治、経済、スポーツ、2018年夏の猛暑。日々報じられるニュースから共通して感じられるのは、日本社会の様々な"当たり前"を見直す時期がきているということです。学校って何のためにあるの? どうして最近LGBTに関するニュースが増えているの? 政治は本当に社会を良くしてくれるの? 

さまざまなことをゼロベースで考え、次の時代を生きやすくする新しいアイデアを持っている人をゲストに呼んで、大人の学び直しをするネット放送です。

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