2013年5月にスタートしたハフポスト日本版は、この度、設立から5周年を迎えました。これまで政治、 経済、 ライフスタイルなどのニュースを独自の視点で報じてまいりました。 働き方、 女性やLGBTQの生き方、 テクノロジーの進化、 政治やビジネス、 エンタメ業界の変革など、 この5年で日本がアップデートされていく様子を追いかけて来ました。
ハフポスト日本版は、すべて無料で読めるニュースメディア――。アドネットワークや、スポンサードコンテンツと呼ばれる記事広告によって得られる収入で運営しています。そうしたハフポストを支えてくださっているのは、広告主や広告会社などの企業の皆さまです。5年間、どんどん読者層を広げていった結果、月間ユニークユーザーは2000万に。そして、おかげさまで、2017年はローンチから初めての黒字化を達成しました。
5月11日、日頃お世話になっている広告主・広告会社の皆さま、ハフポストブロガーの皆さまをお招きし、5周年記念パーティを東京都内のホテルで開き、ハフポストの「5年間」を語りました。
読者の興味を熟知した、メディア視点のスポンサードコンテンツ
ハフポスト日本版の広告企画を担っている「Partner Studio」は、ニュース記事を作る部門とは別の、独立した編集部として存在しています。記事広告をつくる専門記者を社内で抱えているメディアは多くありません。海外のアクセス分析ツールを使いながら、「どうやったら記事広告が広く、長く読まれるか」を日々研究しています。
Partner Studioが制作する記事広告は、いわゆる「ネイティブアド」と呼ばれる手法をとっており、ニュースなどの編集記事と変わらないフォーマットで、読者から受け入れやすいコンテンツを目指しています。当然ながら、記事広告であることを読者に示すため、記事上には広告主名を明記することをルールとしています。
ハフポスト日本版では、広告であってもメディア視点のフィルターを通した、読者の興味・関心に寄り沿ったコンテンツづくりを大切にしてきました。たとえば、自動車メーカーの広告記事だったら、その車のことだけでなく、「未来の自動運転」や「自動車ユーザー同士のコミュニティ」の話につなげたり、勤怠管理システムの広告記事では、「中小企業の働きかた改革の難しさ」を描いたりします。広告を読まされているのではなく、「共感する」体験を読者に提供します。
読者に広告を押しつけるのではなく、ストーリーに共感してもらう。すると、ソーシャルメディアで拡散され、さらに検索エンジンでもヒットしやすくなります。ハフポストは、FacebookやTwitterを運用する専門の「ソーシャルメディア・グロース担当」も置き、記事が「広がる」ためのノウハウを5年間で蓄積してきました。
ハフポストは、「記事ごとの滞在時間」も大切な指標です。読者が反射的にクリックする単なる1PVではなく、1分でも2分でも長くよまれる1PVを目指しています。記事の滞在時間が長くなれば、広告に目が触れる機会も増えていく。広告を通して、広告主様が様々な読者とつながる機会を生み出します。
本セッションでは、Partner Studioクリエイティブ・ディレクターの川口あいが登壇。次のように語りました。
「最近の読者は、広告とわかった上で記事を読み、記事が面白いか否かを判断しています。だからこそメディアとして、読者に寄り添う真摯な記事作りを心がけています。広告主様のニーズに応えるため、情報量もそれなりに多いです。中には8000字を超えるインタビューのものなどもありますが、読者の平均滞在時間が長く、エンゲージメントが高い結果となっています」(川口)
企画営業から制作、レポーティングまで。全工程を担えるディレクター陣
また川口は、ハフポストのスポンサードコンテンツ"最大の強み"を以下のように紹介しました。
「ひとつの企画にひとりの担当者がつき、営業から企画立案、取材、執筆、レポーティングまでを担当します。企画案や進捗はすべてPartner Studio全体で共有。アイデア出しの時点ではチーム内で必ずブレストし、一貫したクオリティコントロールを行なっています。手前味噌ですが、チームにはアイディアマンがたくさんいます。時には営業にも飛び込み、緻密な取材原稿を書き上げるといったオールラウンドなビジネススキルをもつ人材が集まっています」(川口)
記事ではなく、Partner Studioのメンバーが広告主様とイベントを開くことも。普段の取材を通して芸能人や大学の教授、企業経営者や若者に人気のインフルエンサーと接しているので、登壇者のアサイン力も強みのひとつです。
そうしたメンバーで構成されたPartner Studioで、あらゆるニーズに対応できるスポンサードコンテンツを様々な手法で実現しています。こうしたコンテンツが、読者に広がり、会話が生まれ、アクションが起こり、広告主様の商品・サービスと、読者の"橋渡し"が完成されます。
今後はスポンサードコンテンツの単発企画にも細やかに対応するとともに、媒体が掲げるメッセージ、テーマ(カテゴリなど)と連動した企画を増やしていく方針です。
世間の「もやもや」した感情に言葉を与える
ハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎は、ハフポスト日本版誕生からの5年をふりかえりました。
「グローバルメディアが次々と日本に上陸し、紙メディアにいた人もネットメディアへ、紙に広告を出していた企業がネットメディアに広告を出す流れが進んだ5年でした。一方で、 "Me Too"ムーブメントを起こしたアメリカのニューヨーク・タイムズがピューリッツァ賞を受賞するなど、レガシーメディアがネットメディアのスピード感に追いついてきたとも言えます」
こうした中、ハフポストが重要視していることは「会話を生む」メディアであるということです。
「ハフポストでは、"世間の感情に言葉を与える"ことを大事にし、ニュースを再定義してきました。例えば一人で過ごす生き方を肯定する『だからひとりが好き』、女性のカラダのことをオープンに話し合う『Ladies Be Open』など、若い記者たちがこうした企画を立ち上げ、メッセージを発信してきました。世間がなんとなくもやもやしてきたことに言葉を与え、発信して行くことを続けていきたいと思います」(竹下)
ハフポストが発信していくメッセージに共感いただける企業や団体と"座組み"づくりをしていきたいと、竹下編集長は言います。この5周年を機に、また新たな企画をスタートさせました。新しい時間の使い方を考える企画「アタラシイ時間」――。竹下編集長自ら、このテーマでブログを書き、大きな反響がありました。
これからもハフポスト日本版は、読者の皆さまに気にかけていただき、記事を読んでいただけるメディアであるよう、スタッフ一同、広告関係の皆さまと共に歩んで行きたいと考えております。
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このほか、イベントでは、竹下編集長、長野智子 編集主幹、ハフポスト日本版 代表取締役の西村陽一のトークセッションが行われました。
また親会社である朝日新聞社の渡辺雅隆・社長は「ハフポストの立ち上げから、様々なチャレンジを見てきました。5周年を迎えたハフポストも、これからまだまだ壁があると思います。これからもハフポスト を支えていきますし、ハフポストとともに、朝日新聞社も成長してまいりたいと思います」と挨拶しました。
ハフポスト日本版におけるOathグループ兄弟会社であるOath Japanの坂下洋孝・代表取締役 カントリーマネージャーの挨拶もありました。
ハフポストのイメージカラーである「グリーン」は、フレッシュな気持ちと「青臭さ」もイメージしています。これからの5年も、迷いながらも青臭く歩んでいきたいと考えています。5周年パーティでは、それぞれのグリーンを身に着けた来場者の皆さまと、賑やかな時間を過ごさせていただきました。