旅の楽しみ方が多様化し、ゲストハウス(ホステル)の人気も高まっています。
ゲストハウスを頻繁に利用し、スタッフとして複数の施設で働いた経験のある筆者がぜひおすすめしたい、ゲストハウス「Cocts Akihabara」を紹介します。
ゲストハウスの魅力とは?
旅人の巣とも呼ばれるゲストハウス(ホステル)は、共用のリビングやキッチンを有する宿泊施設。バックパック旅や出張先の宿など、海外では主流のスタイルです。
ゲストハウスによっては相部屋(ドミトリー)以外に、個室タイプがあります。ホテルや旅館などの個室と比べて手頃な価格設定も魅力です。
他の宿泊者やスタッフ、地域の人と交流する機会も多いので「ビジネスホテルではなんとなく味気ない」「いつもと違う旅を楽しみたい」といった方におすすめです。
ゲストハウス「Cocts Akihabara」に泊まってみた
浅草橋から徒歩6分、秋葉原の下町に2021年10月にオープンしたゲストハウス。
レトロなレンガ造りの建物で、大きなガラス扉を開けると...
ウッディなデザインとオレンジ色のライトが印象的な受付。チェックインは、QRコードでできるので快適です。
スタッフから共有スペースやキッチンについて説明があります。ゲストハウス初心者でも安心できそうです。
オプションで竹でできた歯ブラシと珍しいタブレットタイプ(2回分)の歯磨き粉が購入できます。
一般的なチューブタイプの歯磨き粉ではないので、ゴミも出ませんね。一つひとつにこだわりを感じます。
秘密基地のような二段ベッド
ベッドと机、椅子のみのミニマルな個室に泊まりました。
注目はおしゃれな二段ベッド。
秘密基地のようなデザインが遊び心をくすぐります。ベッドにはブラインドがついており、2名利用でも互いのプライバシーを守れるのは嬉しいですね。
ベッドは身長180cm以上の筆者でも脚を伸ばしてくつろげる広々サイズ。
共有バスルームは、上質なアメニティが充実
開放感があり、とてもおしゃれでキレイでした。
オーガニックでしっとりとした使い心地の「reef and botanics」のシャンプー、リンス、ボディソープ付き。
ランドリーもあるので、長期滞在にも便利です。
部屋タイプは色々。ファミリー利用も
定番のドミトリー(女性専用部屋あり)はもちろん、ゲストハウスには珍しいシャワーと浴室がついた部屋など、さまざまなタイプの部屋がありました。
中でも「次は泊まってみたい!」と惹かれたのが「スーペリアファミリールーム」。
キャンプのような空間で、布団ではなく寝袋で眠るスタイル。友達と来たら盛り上がりそうですね!
プロジェクター付きで、お泊まり会にも人気なのだとか。
ゲストハウスといえば共有スペース
一階がエントランス兼共有スペースになっており、宿泊客同士が交流したり、黙々とリモートワークをしたり、併設の飲食店「Kitchen & Co.」「チョアチキン」でご飯を食べたりすることができます。
グルメも充実!
併設の「Kitchen & Co.」で、パワーサラダとチキンオーバーライスを注文しました。
パワーサラダは全11種類から選ぶことができ、ソースやトッピングも豊富。チキンオーバーライスはコクがあり、ピリ辛ソースが病みつきの逸品です。
そのほかにもローストビーフ丼やスンドゥブなどメニューも豊富です。
食事後はコンビニで買ってきたお酒を他のお客さんとお話ししながら嗜みました。
共有キッチンがあるので、近くのスーパーで買ったものを調理することも可能です。
長期滞在の人は、買った食材を冷蔵庫に置いておけます。
泊まるだけで難民支援ができる理由とは?
「Cocts Akihabara」の最大の特徴は、一回の予約につき、10円が難民支援協会に寄付されること。
Cocts Akihabaraのスタッフは、「金額としては本当に微々たるものですが、この仕組みのおかげでお客さんが難民問題に関心を抱いてくれることもありますし、会話を始めるきっかけになれば嬉しいです」と話します。
旅行サイトの口コミには「スタッフがフレンドリー」という声が多く、実際にお客さんと楽しそうに話していたのも印象的でした。
一般的なホテルとは一味違う、旅人の巣「Cocts Akihabara」。価格もお手頃なので、ぜひまた泊まりに来たいと思います。
難民問題について調べてみた
難民とは「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受ける、または迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れた人々」とUNHCRは定義しています。
また、紛争などによって暮らしを追われたが国内にとどまっている、あるいは国境を越えずに避難生活を送っている人々は「国内避難民」と呼ばれているそうです。
難民受け入れ数、最多はトルコ
2020年末時点で、紛争や迫害により故郷を追われた人の数は8,240万人で、最も難民を受け入れているのはトルコです。
2021年の日本での難民認定申請者数は2413人(前年比1523人減)、認定された人の数は過去最多の74人でした。
グラフからも分かるように、日本の難民認定率は0.7%。先進国の中では一番低い数字です。
難民支援協会によると、日本は難民申請の結果がでるまでには平均4年、長い場合で10年かかるのだそうです。結果待ちの期間は受けられる支援も限られるため、生活が困難になります。
「難民申請中は、政府からの支援金を受けられる人もいますが、支援金を得る審査に数ヶ月かかるうえ、受給額も生活保護と比較し、3分の2程度と限られています。通常は、難民申請後8ヶ月すると就労が許可されるため、働きながら審査の結果を待つことになります。生活費が十分にない中で医療の受診は簡単ではありません」(難民支援協会)
時間がかかり、難民認定率が低い背景には「迫害」や「難民」の定義の狭さや、そういった状況の中で母国に帰国できない事情を客観的に証明しなくてはならない難しさがあるようです。
私たちにできることは?
こうした団体を通じて「寄付」をすることも支援につながりますし、金銭的な支援が難しくても、ボランティア活動に参加したり、難民問題について学んだりすることもできます。
また、今回ご紹介したゲストハウスのように、難民支援をしている企業の商品やサービスを選ぶこともひとつの方法です。
「Cocts Akihabara」の予約はこちらから。