ここ数年で見聞きする頻度が増えた「SDGs」という言葉。
SDGsへの取り組みは、企業などの社会的な評価基準の1つになりつつありますが、「いまいち理解できていない...」という人も多いのではないでしょうか?
2015年の国連サミットで取り決められたSDGsは、2016年から2030年の15年間で達成するための「持続可能な開発目標」を意味し、17ある目標の内容は貧困や働き方、ジェンダーや環境問題など多岐にわたります。
ハフポストでも「はじめてのSDGs」という特集や、豪華ゲストと共に考えるイベントなどを通して、関連のコンテンツを幅広くお届けしてきました。
今回、これからの社会を生きていくに当たって必須となるSDGsについて学べるおすすめコンテンツ10選を厳選して紹介します。
初めの一歩にぴったりの本や企業向けのビジネス書、そして分野ごとのおすすめなど様々あるので、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
【初心者でも安心】
「専門書はちょっと...」と思ったら、漫画で学んでみよう。
SDGsと聞いて、まず「難しそう」と思う人も多いのではないでしょうか。
そんな人に、まずおすすめしたいのがこちらの一冊。
普段の仕事がSDGsといかにして繋がっているのか、なぜ企業にとってもそれがメリットなのか、「漫画」という身近な手段だからこそ分かりやすく、楽しく教えてくれる内容になっています。
キャラクターや紹介事例も多種多様で、情報量が多いにも関わらず、すいすいと読み進められる一冊です。
世界の事例が盛りだくさん。中高生から大人まで楽しめる「SDGsアイデアブック」
SDGsは、企業や大人だけの開発目標ではありません。
入試問題での出題頻度が上がることなどももちろんですが、これからの社会を生きる中学生や高校生が知っておくべきこともたくさんあるのです。
そこで17の開発目標を分かりやすく、丁寧に噛み砕いて説明してくれるのがこちらの一冊。
世界を動かしている実例も多く取り上げられていて、読み手にエネルギーを与えてくれる文体も読みやすさの一つです。
【専門書・ビジネス書】
さくっと読める専門書
「エシカル消費」や「ESG投資」など、ここ数年で耳にする頻度が激増した言葉にもSDGsが深く関係しています。
「経営とビジネスチャンス」という視点が多く含まれたこちらの一冊は、経営者はもちろん、就職・転職活動をしている人、そして投資家などの多種多様なビジネスパーソンが知っておくべきことが盛りだくさん。
俯瞰性のある文章と色分けされたページで、読みやすさという観点からも多くの工夫がなされています。
「地球人」として生きるために、何ができるだろう?
環境省の前書きに始まり、複数の執筆陣が各章をまとめた濃度の高い一冊。
地球温暖化や環境汚染などについては多くの議論がなされてきましたが、その問題と向き合っていくために私達にできることは何なのか。複数のアイデアと共に、丁寧に紐解いています。
私達の生活の根本に問いかける『SDGsの基礎』は、オフィスなどにも置いておきたい一冊です。
経営者なら絶対に読んでおきたい。コンパクトなのに頼れるビジネス書
「経営」という視点でSDGsを考えるとき、「CSV経営」や「コレクティブ・インパクト」を考えることも必須でしょう。
この一冊は、とことん経営という面に視点を置き、実例も紹介されています。
必要な理念からフィールドでの実例までをバランスよくまとめているので、SDGsと経営を紐付けて考えるに当たって重宝すること間違いなしのビジネス書になっています。
ここからは分野別のおすすめを紹介していきます。
【環境問題】
グレタ・トゥーンベリさんの母が語る「気候のための学校ストライキ」の裏側
SDGsの目標に組み込まれている環境問題ですが、その言葉を聞いて、グレタ・トゥーンベリさんの顔が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
トゥーンベリさんは今でこそ、世界の注目するアクティビストですが、始まりの物語は私達と変わらない「個人」という最小限の場所からスタートしました。
大きな問題と対面すると、私達は一人一人が持つ可能性や力というものを見失ってしまいがちですが、トゥーンベリさんの母が語る彼女の物語を読めば、きっと希望が見えてくるはずです。
【ジェンダー】
戦った先に見えてきた「黒い箱」の秘密
ジェンダーも「世界のこれから」を語るに当たって、大切なトピックです。
『Black Box』では性犯罪の被害者として声をあげた著者が、それまでの経緯とその後について綴っています。
被害者が声をあげられない、あげても届かない社会で、必死に声をあげ続けた著者が見たものとは何なのか。
日本社会を生きる誰もが知っておくべき「リアル」が詰まっています。
ジェンダーの「これが知りたかった」に答える一冊
LGBTQやSOGIなど、どこから学び始めれば分からないという人も多いはず。
「『ホモ』『レズ』って呼び方はダメなの?」
「女性車両って男性差別じゃない?」
...などなど、こちらの一冊は「こんなこと聞いたら恥ずかしいかな..怒られたりしないかな..」に一つ一つ答えてくれる内容になっていて、まさに第一歩を踏み出すのにもってこいの一冊です。
【貧困問題】
「底辺託児所」から見た世界のリアル
階級社会の名残や移民の多い背景から、貧富の格差が大きな問題となっているイギリス。貧困地区の託児所で働いた著者によって綴られた一冊です。
貧しくもエネルギーに満ちた「底辺託児所」から、社会の分断が痛いほど伝わって来る一方で、現場に身をおいた著者だからこそ綴れるパリッとしたユーモアも印象的。
異国の話だと思って読み進めていたら、日本社会にも通じるものが多くあり、多角的な気付きの連続です。
【経済】
安くておしゃれな「ファストファッション」。その裏側ではお金以上の代償が支払われていた(DVD)
安くておしゃれなファストファッションは、私達の多くにとって欠かせない存在となっています。
しかし、その裏側では「第3世界」や文化、女性や子ども、そして地球に大きな傷跡を残しているのです。
消費者として何ができるのか、資本主義やグローバル経済という枠組みの中で、私達が忘れてはいけないこととは何なのか。
このドキュメンタリー作品は「ファッションのこれから」を考えさせてくれます。
おまけ
SDGsに関するハフコレ編集部のおすすめを、最後にもう1つご紹介。
Ted Talkで「地球市民(Global citizen)」という言葉を発案したヒュー・エヴァンスさんのトークが無料で視聴可能です(日本語字幕あり)。
なぜ「地球市民」という言葉が必要なのか。なぜこの言葉に多くの人が賛同したのか。
ドラマのような実話を振り返りながら、地球の「これから」を語る彼のスピーチには、聞き手をワクワクさせるエナジーと力強さがあります。
まとめ
SDGsに関連したおすすめコンテンツ、いかがでしたか?
今回紹介したコンテンツ以外にも、SDGsは多岐にわたる活動目標を掲げています。これを機に、ぜひ色々な視点から「これからの社会」について学んでみてくださいね。
ハフポスト日本版「はじめてのSDGs」はこちらから。