※この記事には火傷をして傷ついたコアラの画像・動画が含まれています。
オーストラリア南東部ニューサウスウェールズ州では、深刻な森林火災が続き人間だけでなく多くのコアラが犠牲になっている。
そのニューサウスウェールズ州で、1人の女性が自分のシャツを使ってコアラを救出し、話題になっている。
女性がコアラを救出したのは、ニューサウスウェールズ州ポート・マッコーリーから49キロ西側にある、ロング・フラットという街だ。
オーストラリアの「ナイン・ニュース」によると、救出者の女性の名前はトニーさん。
トニーさんは、燃え盛る火の中にいるコアラに駆け寄ってシャツを脱ぎ、そのシャツでコアラを包んで安全な場所に避難させた。そして、水をかけて火傷をした体を冷やした。
怪我をしたコアラは「ポートマッコーリー・コアラ病院」に移送され、保護された。
トニーさんの勇気ある行動に対し、SNSでは多くの賞賛の声が寄せられた。同時に、森林火災で犠牲になっているコアラへの惨状を悲しむ声もたくさん投稿されている。
「素晴らしい。コアラを救う女性と火傷で怪我をして泣くコアラの動画を見て思わず大泣きしてしまいました。私たちは、地球と動物たちに何てひどいことをしているのでしょうか」
「オーストラリアの火傷をしているコアラの動画、見ていられません。すごく動揺しています」
「ヒーローは、必ずしもマントを身につけているわけじゃない。ブラジャーとサンダルのヒーローもいます」
森林火災は、オーストラリアのコアラに大打撃を与えていて、これまで少なくとも350匹以上が死んでいる。
ニューサウスウェールズ州自然環境保護審議会のジェームス・トレメイン氏は「気候変動による温暖化に加えて、森林伐採でコアラの生息地が狭まっているいることが、コアラたちの生きる環境を悪化させている」とロイター通信に話す。
さらに同氏は、コアラの減少が今後20〜30年続くと絶滅の恐れもあると指摘する。
森林火災が続く中、クイーンズランド州では、犬で生き残っているコアラを救おうとしている。
第一号となった牧畜犬がベアはこれまで、病気になったコアラや親を無くしたコアラを見つける訓練を受けてきた。
その技術を、森林火災で生き残っているコアラ探しに使うという。
ハフポストオーストラリア版の記事を翻訳・編集しました。