■今年の目標は順調ですか?
あっという間に、今年も半年が過ぎようとしていますね。
みなさんは、年頭に掲げた信念や目標を着実に進めていますでしょうか?
「え?もう半年が経過するの......今年もパッとしないまま終わりそう」と、意気消沈する必要はありません。
もちろん何より経過は大切ですが、小さな達成が成果を生んでくれます。
この時期にこそ、今年の前半を振り返りながら後半に手を付けたいことを明確にしていくことをお勧めします。
■行動目標を振り返り、どんどん改善していこう
今回は、「振り返り」をテーマにしていきます。
わたしは、毎月8回程の研修やセミナーを担当しています。
その中でプロジェクト案件の際には、対象がリーダーの方たちで[目標達成]や[部下指導]の2大テーマで進めていきます。そこで、行動習慣化トレーニング®を使いながら事前と事後で変化を計測していきますが、差が生まれてくるのが「振り返り」です。
ただ単に、行動を振り返ればいいのではありません。
ご自身の事であれば、いかに望ましい行動に気が付いて強化し、いかに望ましくない行動に気が付いて弱化していくかの、内省にも繋がるトレーニングの一環です。
ここでは、具体的に何をしてもらうか明確にした内容でご紹介をしていきます。
【参考例】
リーダー歴 6年目 営業の情熱があふれるAさん(男性)
課題「自分の部下が指示待ちで動いてくれない」
目的 ① 部署で業績達成したい
② 報告と連絡の体制を整えたい
ここで"どうして?"の質問が必須です。
① 部署で業績達成したい
WHY? → 自分一人で80%以上の売り上げを立てているから
② 報告と連絡の体制を整えたい
WHY?⇒大体の情報しかわからずに部下たちを20%以下しか面倒をみれていない
ここで"どうしたらいいか?"の質問です。
① 部署で業績達成したい
WHY? → 自分一人で80%以上の売り上げを立てているから
HOW? → 自分から部下へ情報を伝えていきたい
→ 部下自身も考えて動けるように指導していきたい
② 報告と連絡の体制を整えたい
WHY? → 大体の情報しかわからずに部下たちを20%以下しか面倒をみれていない
HOW? → 会社での朝礼と夕礼の仕組みを活かしていきたい
→ 最初に状況を知り途中経過を聞くことで指導をしていきたい
それでは、具体的な行動目標を決めましょう!!
1. 朝の5分間は、部下3人に1分ずつ業務を報告してもらう
2. 事務所で顔を合わせる時は"調子どう?"と声をかけていく
3. 業務終了後の15分前に、部下たちを集めて一言ずつ改善案を伝えていく
ここからが[振り返り]のパターンです。
リーダー自身が、帰る5分前の時間を使うのがお勧めです。
たった3つのポイントです。
① 今日の"良かった点"を3つ以上書き出す
② 今日の"良くなかった点"を1つだけ書き出す
③ 上記の点をふまえて、明日からの改善点を1つから3つまで決める
これらを3日・3週間・3カ月と繰り返していくだけです。
これらの振り返りを習慣化にすることで、毎月のように同じ課題や失敗に悩まされるのが減少していきます。
■どんな人でも自分が新人の頃を忘れている
「最近の若手は、社会常識を学んでいない」という意見をよく聞くことがあります。
本当にそうでしょうか? そうかもしれませんし、そうではないかもしれません。
ただひとつだけ言えることは、どんな人でも自分が新人の頃、つまりできない頃の記憶を上書き保存して忘れてしまっているのです。
年数が経つにつれて成長し、自身がリーダーになった時の価値観で物事を考えるので、
"自分が1年目の頃は自分から◯◯したはずだ"や"自分が5年目の頃は自発的に□□をしていたはずだ"と都合よく思い浮かべやすいですが、その前に一度できなかった頃を思い出して教育していくことが、何より大切なのではないかと思います。
今回は、リーダーの目標を参考例にあげていますが、もちろん自分自身の目標やお子さんの目標を決めて、それらの振り返りにも使えます。
ぜひ今年前半を振り返りながら、後半に向けての新たな行動目標を決めてみてくださいね。
【近著】
『どうして? 自分に聞く力で問題解決!』(クロスメディア・パブリッシング 刊/石田淳氏との共著)
行動科学を使った世界一わかりやすい問題解決の考え方を解説!
問題(課題、目標)は、ビジネスでもプライベートでも誰もが抱えているものです。「納品トラブルがあった」 「営業成績が達成できない」 「書類をなくした」 「いつも寝坊してしまう」 「最近、太りすぎた」 「職場の人間関係がうまくいかない」 ......など思いつくところがあるのではないでしょうか。
本書では、そんな身近な問題から会社でのトラブルまで、行動科学的なアプローチで「どうして?」と自分に聞くだけで、すべて解決するメソッドを紹介しています。