女性の多くが経験する生理。この自然現象に、一体どれくらいお金がかかるんだろう、と考えたことがあるだろうか。
国や地域によって、生理の対処方法やかかる値段は違うかもしれないが、毎月訪れる生理にかかる費用は決して安い金額ではない。
これを元に計算すると、女性は平均38年間、456回の生理があることになる。合計すると一生のうち2280日間(6年3カ月)、生理を経験している。
ハフィントンポストUS版はこの日数を元に、生理に関係する費用がどれくらいになるのかを試算した。
計算に含めたのは、タンポンやナプキンだけではなく、チョコレートなど生理前や生理中に欲しくなる甘いものなど、さまざまな生理に関わるの製品。
さて女性は一生のうち、いくら生理に支払っている?
■ 生理痛の薬
代表的な生理痛の薬「マイドール」は、アメリカの大手薬局チェーン・ウォルグリーンで1箱40錠入って10.49ドル(約1170円)。この薬は、1日に6錠まで服用できる。生理痛のつらい最初の2日間に服用すると考えると、1回の生理で服用するのは12錠だ。
生涯の生理の回数は456回なので、一生で服用する数は12錠×456=5472錠。1箱40錠なので、一生で136.8箱のマイドールを買うことになる。
つまり、一生にかかる生理痛の薬の値段は、136.8×$10.49=1,435ドル(約16万円)。
■ タンポン
アメリカの女性は、ナプキンよりタンポン派が多い。70%の女性がタンポンを使っているという調査があるため、タンポンの値段を計算した。
ウォルグリーンでは、1箱36個入りのタンポンが7ドル(約780円)だった。タンポンは、4〜8時間ごとに交換するように勧められているため、間をとって6時間ごとに交換すると考えた。そうすると、1日に必要なタンポンは4個。生理が5日間続くと考えると、一回の生理で使うタンポンは20個になる。
これに、一生の生理の回数456回をかけると、20×456=9120個のタンポンが必要となる。これは253.3箱にあたる。つまり、一生にかかるタンポンの金額は253.3×7ドル=1773.33ドル(約20万円)。
■ ナプキン
タンポンにナプキンをあわせて使う人もいる。そこで、一回の生理につき5枚のナプキンを使うと考えて計算をした。5枚×456=2280枚のパンティライナーが必要ということになる。
ちなみに、ウォルグリーンでは、36枚入りのナプキンが、1箱9ドルだった。2280枚だと63.3箱必要になる。一生に払うナプキン代は、63.3箱×9ドル=569.7ドル(約6万3000円)。
■ 下着
ほとんどの女性が、生理で下着を汚してしまった経験がある。下着についた染みはなかなか落ちない。そのため、汚れてしまった下着を泣く泣く廃棄……ということも少なくない。
調査によると、現在アメリカの女性は平均34枚の下着を所有している(女性が所有する下着の数は増えているという)。
ハフィントンポストUS版は、1回の生理で1枚の下着をダメにしてしまったと仮定し、下着の値段を計算した。
大手小売店のターゲットで売っている下着の値段は、1枚5ドルだった。5ドル×456=2280ドル(25万円)になる。
全ての人が、生理の前や途中に甘いものが食べたくなるわけではない。ただ、甘いものが食べたくなる、食欲が増えるという人は少なくないため、一回の生理でチョコレートを1枚買うと仮定して計算した。
チョコレート1枚が2ドルだとして、2ドル×456= 912ドル(約10万1500円)が一生でかかることになる。
■ ニキビの薬
生理前はニキビなどの肌荒れが起きやすいので、ニキビの薬をつける人は少なくない。ニキビの薬は比較的長持ちする。ウォルグリーンで7.99ドルで売っているニキビの薬は、生理の期間中だけ使うとしたら約3年持つ。
38年を3で割ると、12.6年。12.6年×7.99=100ドル(約1万1000円)になる。
■ ピル(経口避妊薬)
調査によると、アメリカでは約80%の女性が、1度は経口避妊薬を使ったことがある。保健でカバーされていなかった場合、ピルはかなり高い。アメリカ家族連盟で入手できるピルの値段は、0〜50ドルになる。そこで間をとって25ドル(約2800円)で計算をした。
一カ月25ドル×456=11,400ドル(約127万円)かかることになる。
■ 保温グッズ
生理痛を和らげるために、保温グッズを使う人も少なくない。代表的な保温グッズの値段は、大体一つ20ドルくらいだ。それを1度買い替えると考えると、20ドル×2=40ドル(約4500円)必要になる。
上記の金額をまとめた。すると、生理に関係して一生にかかる費用は、次のようになる。
これはアメリカのケースを元に計算した金額だ。日本ではピルを服用している人は少ないので、金額は異なるかもしれないが参考になる。
また上記の計算に加えて、ピルを処方してもらうための診療費や、婦人科検診などが加わるケースもあるだろう。
生理用品は安価ではないため、所得の低い家庭の家計を圧迫している。アメリカでは、ニューヨーク州で2016年に生理用品に消費税を免除する法案が承認されるなど、生理にかかる金銭的負担を減らす動きがある。
生理は、多くの女性が必ず向き合わなければいけない自然現象。こういった動きを歓迎したい。
ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
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