TikTokで話題のエクササイズ「ホットガール・ウォーク」は心にも効く。ポイントは何を考えながら歩くか

TikTokで流行中のエクササイズ「ホットガール・ウォーク」。3つの信念を考えながら歩くことで、体だけでなく精神的にも効果があるといいます。
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ホットガール・ウォークの目的はダイエットではなく、精神的な変化(イメージ画像)

TikTokで2022年春ごろから流行し始めたエクササイズ「ホットガール・ウォーク」に、海外の多くの若者が夢中になっている。

最新機器やクールなギアは不要。重要なのは、前向きな姿勢で望むことだ。

現在23歳のミア・リンドさんがパンデミック中に毎日近所を散歩していた際に考案したという「ホットガール・ウォーク」は、身体の健康のためだけでなく、自尊心をより高めるためのエクササイズでもある。

「ロックダウン中、不安にならずにできるようなエクササイズを探していました。そんな時、長い散歩には瞑想的な要素があると気づいたんです」とリンドさんはハフポストに語る。

「それと、ウォーキングは『運動ではない』という強い偏見を感じていたので、『ホットガール・ウォーク』としてリブランディングしたのです」

注目を集めたTikTok動画の中でリンドさんは、ホットガール・ウォークの3つの信念を説明している。この3つをウォーキング中に考えることが重要なポイントだ。

・何に感謝しているか

・自分がどれだけホット(魅力的)か

・自分の目標と、その達成のために必要なステップについて


要するに、自分が成し遂げたこと、達成したいこと、そして自分がどれだけ魅力的かを考えながらその日の運動をこなすのだ。

もしウォーキング中にネガティブな考えが浮かんできたら、前向きな音楽を聞いて、その歌詞に集中することをリンドさんは勧める。

彼女は動画で、この長めのウォーキング(彼女の場合、1回のウォークは約6.4キロ)により少し体重が減ったと話すが、それが本来の目的ではないと主張する。

「体重の減量を含め、ウォーキングによる健康上の利点はいくつかあります。でも、ホットガール・ウォークによる最大の変化や成長は、精神的な利点とセルフケアの側面です」

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Igor Alecsander via Getty Images
ウォーキングは身体的にも良い変化を期待できる(イメージ画像)

ウォーキングを含め、体を動かすことは、ストレスを軽減し多幸感をもたらす神経伝達物質エンドルフィンを分泌することが研究で裏付けされている。2005年にアメリカスポーツ医学会のジャーナルで発表された研究によると、30分のウォーキングでもうつ病に苦しむ人の気分を高めるのに効果があるという。

「歩くことは、うつ病の症状を軽減し創造性を高めることが示されています。でもそれだけでなく、感謝の気持ちを感じるために自分の時間を持つことは、究極のセルフケアでありセルフラブ(自己愛)です」とホットガール・ウォークのファンであり、オンラインフィットネストレーナー兼栄養士のヴァネッサ・リウ氏は話す。

ウォーキングは精神的な効果だけでなく、身体的にも良い変化を期待できる。

ウォーキングはランニングほど強度は高くないが、2013年の研究では、ランナーと同じ距離を歩けば、ウォーキングでも高血圧、高コレステロール、冠動脈性心疾患のリスクが同等に減少することがわかった。

ここまで読んで、早速ホットガール・ウォークに挑戦したくみたくなった人もいるのでは?

そんなあなたのために、ボディイメージを専門とするフィットネスやメンタルヘルスのエキスパートたちに聞いた、ウォーキングの効果を最大限にするための6つのアドバイスを紹介しよう。


姿勢に気をつける

背筋を伸ばし、胸を張り、頭を高く上げて遠くを見る。腕は肘を少し曲げて振る。

「最初は姿勢を調整することに居心地の悪さや疲れを感じるかもしれませんが、いずれは長生きのための投資になります」とパーソナルトレーナーのビアンカ・ルッソ氏は話す。


時間や距離は決めない

ホットガール・ウォーク考案者のリンドさんは、目的地まで片道約3.2キロを往復するという。しかし障害回復コーチでボディ・ポジティブ・インフルエンサーのジュリア・パージック氏は、その日の体調などを考慮し自分に合ったウォーキングをすることを勧める。

「6キロを一定のペースで歩くことが身体に負担になっていると感じるようなら、やめましょう。自分の体の感覚に従って、たった5分の散歩や、外に出て新鮮な空気を吸うだけでも十分なのです」


自分を「魅力的」と思わなくてもOK

ホットガール・ウォークの「ホット(魅力的)」というワードに違和感を感じ、自分はその対象ではないと考える人もいる。


摂食障害の治療を専門とするセラピストのジェス・スプレングル氏は、「健康のための運動をしながら思考にフォーカスするアイデアは好きです。ただ、これが健康のための運動なのか、ダイエット文化を促進する運動なのかは分かりません」と話す。

しかしリンドさんは、ホットガール・ウォークの目的は体重を減らすことではないと強調している。


ポッドキャストではなく、運動したくなるような音楽を聞く

TikTok動画でリンドさんは、イヤフォンを付けずにウォーキングできるかの挑戦を促している。でももし何か聴きたければ、気が散るポッドキャストではなく、気分の上がる音楽を聴くことを勧めている。

トレーナーのリウ氏も、人は音楽と動きをシンクロさせる傾向があり、音楽を聴くことで歩くペースを保つこともできる、と音楽をを勧める。

「他にも、気分のアガるプレイリストはインスピレーションをくれて、目標や感謝していることを明確にしてくれます」

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Alexander Shelegov via Getty Images
Portrait of woman with wireless black headphones who enjoying and listening music outdoors the street.

マインドフルネスを取り入れる

心理学者のサマンサ・デカロ氏は、ウォーキングの効果を最大限に引き出すには、マインドフルネスを取り入れると良いと述べる。


「マインドフルには『今』にとどまるための様々なテクニックがあります。あなたの周りの色、温度、匂いを感じてください。そして肌に触れている空気や足の下の地面、体の中の感覚に注意をシフトするのです」

気が散ったら呼吸を観察し、注意を「今」に引き戻すのだという。


ポジティブな思考を維持できなくてもOK

ポジティブな思考ができない自分に気付いても、自分を責めずに思いやるようデカロ氏は話す。頭に浮かんでくる考えを抑えようとするのは難しいそうだ。

「ネガティブな思考をかき消せないときは、それは事実ではないと自分に思い出させてください。呼吸を観察したり、五感を研ぎ澄ませたりしてください」

また、ウォーキングがうまくいかない日があっても、自分に寛大であることも大切だという。

「外的なルールに頼るのではなく、自分の体の合図に耳を傾け尊重しましょう」とデカロ氏は話す。

「自分の心や体が本当に必要としているのは、家で休んだりウォーキングを短縮したりすることだという日もあるのです」

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。