テキサス州オースティンに住む21歳のケイティ・ライトさんは、気になって仕方なかった、眉毛の近くにできたニキビをつぶした。
しかし、まさかそれが原因で、夜も眠れなくなるほどつらい経験をするとは、予想もしていなかった。
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— katie (@katiewright) 2017年8月1日
「顔に大きなニキビができてすごく痛かったので一週間前につぶしました。数時間のうちに顔中が腫れ上がり、痛み始めました。顔の中で何かが起きて破裂するんじゃないかと思えるような痛みでした。緊急病院に行って診てもらったら、ひどい蜂巣炎(ほうそうえん)だといわれました」
ライトさんはハフポストUS版に「耐えられないくらいの腫れと痛みに襲われました。まるで、熱い炭が、肌から飛び出てくるような感じだった」と話した。
ライトさんがニキビだと思っていたのは、蜂巣炎(ほうそうえん)という、細菌性の感染症だった。蜂巣炎は、ブドウ球菌などのバクテリアが皮膚の表面 から下層組織に広がる感染症だ。悪化すると臓器不全を引き起こしたり、時には死に至ったりすることもある。
ライトさんの場合、病院で4日間治療を受けた結果、症状は治まった。
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— katie (@katiewright) 2017年8月8日
「ブドウ球菌で、顔がこんなに腫れてしまった」
ニューヨーク州立大学ダウンステート・メディカルセンター皮膚科学臨床学助教授であるジェシカ・クラント博士は、蜂巣炎を軽く考えてはいけないと話す。
「感染が、皮膚から血流や、皮膚の下層組織にまで広がると、眼窩(がんか)や脳、副鼻腔、関節や骨といった場所に達することもあります。これらの部位で感染症を治療するのは難しく、大きなダメージを与えてしまいます」
クラント博士によると、蜂巣炎は他の皮膚疾患と見分けるのが難しく、そのためニキビと間違えられやすい。
「蜂巣炎を見分けるのは、簡単ではありません。そのため、多くの医師が、過小診断したり、逆に過剰診断したりします。普通あまり経験しないような、深くて痛みを伴う腫れが起きた場合、蜂巣炎じゃないかと疑ってかかることが大切です。特に顔に出来た場合はそういえます」
ニキビができたら、どうすればいい?
たとえ、顔にできた吹き出ものが明らかにニキビだったとしても、つぶすのはお勧めできない。クラント博士はこう話す。
「どんなニキビでも、つぶすことにはリスクが伴います。小さくて柔らかくて白い、そっとつぶせるタイプのニキビであれば、問題ないかもしれません。しかし、顔や首にできた根が深いニキビをつぶすと、症状が悪化する可能性があります」
クラント博士は「皮膚にできた吹き出ものをつぶすと、バクテリアが1カ所から他の場所へと広がる危険性が高まり、その結果、炎症性物質が下層組織にまで広がり、蜂巣炎になるリスクが高まる」と説明する。
クラント博士は、ニキビがつらい時には、次の3つの対処法を取ることを勧める。
・温める
ニキビを優しく蒸気で温めると、腫れが緩和されることがある。
・薬をつける
薬局や、皮膚科医によって処方された、ニキビ用の軟膏を塗る
・つぶさない
大きくて、気になるニキビもつぶすのはお勧めできない。どうしてもつらい場合は、医師に相談しよう。「腫れて痛いニキビは、コルチゾン注射で症状を緩和できることがあります。医師と相談しましょう」
またクラント博士は、汚れたメイクアップブラシも蜂巣炎のリスクを高める、化粧道具は清潔に保たなければいけないと強調する。
「ブラシや化粧道具は丁寧に洗ってください。命を脅かすような感染症を避けるために、私は化粧品を洗う時は、段階を省かずに丁寧に洗うよう全ての人に伝えています」
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
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